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理事会(2026年2月)増田会長あいさつ

【増田会長あいさつ】

 大義なき解散による総選挙は、日本のさらなる右傾化や、戦争する国づくりの進行が強く懸念される結果となりました。右派ポピュリズムの伸長により、中道勢力の政策が右方向に牽引されるという、近年の欧州で頻繁に見られている現象が、日本においても顕著に現れていると言えます。
 高市首相は施政方針演説で、解散総選挙によって予算審議を遅らせておきながら、「全ては国民の皆様のため」と、各党に年度内の予算成立への協力を求め、長時間労働を助長しかねない、公約にもなかった裁量労働制の見直しにも触れました。また、防衛装備移転三原則の見直しに言及し、いわゆる五類型の撤廃で兵器輸出に本格的な道を開く方向性を示しました。
 岸田内閣時代の2023年12月に、外国企業からライセンスを得て日本が生産した殺傷兵器を、ライセンス元国へ輸出できるようにする閣議決定を行っていましたが、自民党の今回の安全保障調査会からの提案には、第三国への輸出を可能にすることが盛り込まれています。さらには、それを通して経済発展につなげることや、憲法改正の国会発言への期待が述べられたことと合わせ、憲法9条を基盤に築いてきた戦後日本の平和主義が重大な危機を迎えており、平和と生活を守る大きな連帯が必要です。
 大企業や富裕層への適正な課税と、軍拡を止めることで財源を生み出し、消費税減税や賃上げで出産・育児環境を整えること、増大する社会保障ニーズに応えられる仕組みを構築し、老後の不安解消と雇用創出を実現することなど、大きなビジョンを追求する市民運動の成長が必要です。

 ダボス会議に向けて、恒例のオックスファムの報告書が1月19日に発表されました。今回のタイトルは「富裕層の支配に抵抗し、ビリオネアの権力から自由を守る」であり、寡頭政治か、民主主義かを選択せよと世界に問いかけました。報告書の中には、世界の億万長者の総資産が2025年に16.2%上昇し、保有資産10億ドル(約1580億円)以上のビリオネアが3000人以上存在すること、超富裕層は使い切れないほどの富を蓄積し、この富を利用して経済を定義し、国家を統治するルールを形作るための政治的権力を確保していること、世界人口の48%にあたる38.3億人が1日3ドル以下での生活を強いられ、4人に1人が慢性的な食糧不足に直面していることなどが記されています。
 同じくダボス会議に向けて、アメリカの「愛国的な百万長者」など富裕層団体が、富裕層による政治買収を懸念し、富裕層への課税強化を各国指導者に呼びかける書簡を発表しました。24か国の大金持ち約400人がこれに賛同・署名していることを、1月21日に英国ガーディアン紙が報じました。主催者たちは「今こそ課税する時だ。私たちの未来を取り戻そう」とダボスのリーダーたちに対し、「富裕層へ課税せよ(Tax the Super Rich)」と訴えています。グローバル資本主義の暴走による経済格差の拡大は世界共通の現象であり、その解決策が富裕層や大企業への適正な課税であることは、もはや世界的な常識と言ってよいと思います。

 総務省が2月6日に発表した2025年の家計調査では、2人以上世帯のエンゲル係数が1981年以来44年ぶりの高水準となる28.6%に達したことが報道されました。世帯別年収の低位20%層の平均で見ると33.1%と、食費が支出の3分の1を占めていることも明らかになりました。エンゲル係数は家計所得が増えることで低下傾向を示すと言われていますが、2000年代前半までは低下傾向にあり、2005年の22.9%を底に上昇に転じました。これは物価高に対応する賃上げが実現しておらず、実質賃金が低下していることの表れだといえます。株価などでは測れない家計の実態に目を向けた政策への転換が求められます。

 人々のいのち、健康に深く関わる医療・介護・福祉に従事する者として、意思表示と行動を起こし、戦争する国づくりと、「医療追い出し、介護とりあげ」の社会保障削減が一体となった政治の中で、引き続き、運動を強化し前進しましょう。