• メールロゴ
  • Xロゴ
  • フェイスブックロゴ
  • YouTube
  • TikTok

ニュース

ニュース

理事会(2026年5月)増田会長あいさつ

【増田会長あいさつ】

 憲法改悪と戦争国家づくりを阻止するために、国会外のたたかいの意義がかつてなく高まっています。この間、高市内閣の危険性を察知した多くの人々が国会前に集い、非戦と人権、そして、「憲法守れ」の声を発しています。5月3日の憲法集会には5万人が集い、9条改憲阻止を訴えました。
 改めて、9条が歴史的に果たしてきた役割を再確認することが必要です。大戦後、アジアの他のアメリカ同盟国が、朝鮮戦争やベトナム戦争に参戦を強いられ、その戦後処理に苦労し続けるなかで、日本は事実上、憲法9条を盾に巻き込まれることなく歩みを進めてきました。今年3月の日米首脳会談で、トランプ大統領からホルムズ海峡への自衛隊派遣を要請された際にも同様のことが起こったことは、首相と外相の発言から明らかです。世界情勢と平和憲法が果たしてきた役割を正確に理解するための丁寧な情報提供が求められます。

 NPT核不拡散条約再検討会議が、4月27日~5月22日の日程で、ニューヨークで開催されています。1970年に発効した同条約は、191の国・地域が加盟し、当初期限の25年となる1995年の無期限延長決定を経て、5年周期で再検討会議が行われてきました。コロナ禍で2020年の会議が2022年に延期され、本来の軌道に戻すために今回2026年開催となりました。第6条に核軍縮義務を掲げ、その完全履行と核兵器禁止条約への参加国拡大が、核廃絶へ向けた運動の両輪と位置付けられています。
 国連のグテーレス事務総長は「核による威嚇が再び行われ、不信感が蔓延している。苦労して確立された規範が崩れ始めている」と指摘し「(日本の被爆者の)世界に対するメッセージは、かつてなく時宜を捉え、切迫したものだ」と、その重要性に言及しました。今回、議長を務めるベトナムのビエット氏は、「これまでで最も困難な時期にいる」としつつ、条約の履行を推進するための現実的で具体的な行動をおこす合意形成に、意欲を示しました。

 OTC類似薬の「保険外」拡大を含む健康保険法改正案が衆議院を通過し、参議院での審議に移りました。国会論戦でよりその危険性が露わになったのは、この法改正はOTC類似薬の患者自己負担が増えることに留まらず、混合診療の大幅拡大に道を開くことになるということです。法案によれば「保険給付の対象としないもの」は、OTC類似薬に限られておらず、診察、処置、手術などに及ぶ可能性があり、その範囲拡大は国会決議を必要とせず時の政権の意向で決められることになります。厚労省は「現時点ではOTC類似薬以外は想定していない」などと述べますが、将来的な見通しについては言明していません。また、保険外しの比率についても、提案にある25%に留まる保証は無く、厚労大臣は将来的な利上げを否定しませんでした。国民統合の象徴である国民皆保険制度の根幹が歪められる危機があり、危険性を広く知らせ、廃案への取り組みが必要です。

 5月1日、水俣病の公式確認から丸70年となりました。当日の熊本日日新聞のインタビュー記事で、元チッソ労組委員長で「水俣病の民衆史」の著者は、「(水俣病は)工場がつくり出した人工の不治の病気」「20世紀で世界最大・最悪の公害だ。これは企業犯罪で、しかも、最初から今まで、不条理が鉄の扉のようにつながっている」とし、不条理の代表として水俣病を取り巻く「医学」を挙げました。そして、患者の訴えを無視し続ける被告側医師に対峙した水俣協立病院・水俣協立クリニックを「高度な学識と豊かな経験を持ち、患者は厚い信頼を寄せている」と称賛しています。また、裁判闘争の最中、熊本大学が様々な圧力に晒され、公的な調査・検証が出来なくなる状況下での民間の医師たちの活躍に触れた件(くだり)では、全日本民医連の奮闘も紹介されています。多くの被害者がほったらかしになっていることへの怒りを示し、「不条理の連鎖は水俣病の歴史に限ったことではない」と、福島第一原発事故を例に出し、インタビューの最後に、「立ち戻るべき物差しになるのは憲法が定める基本的人権だ。人権を侵す不条理を傍観し、仕方ないと受け入れてはならない」と強調しました。
 担当デスクのコメントが付記されており、「司法の場で責任が確定している国が被害の解明すらできず、患者の認定基準を狭めたまま、申請の棄却が繰り返される現実がある」という認識を示した上で、「闘う側が勝ち取るしかない」という言葉でこの記事は締め括られています。
5月7日、しんぶん赤旗の取材記事で、水俣協立病院の藤野糺名誉院長は、「水俣病の歴史は隠ぺいの歴史であり、国は何も変わっていない」と断じ、「医学の名のもとに被害を隠蔽することは許せない」「PFASも原発事故も原爆の被害も学者を使って被害を隠したという点で同様」と述べ、「水俣病の歴史を知り、真実が捻じ曲げられたことに対して果敢にたたかって欲しい」と、次世代へエールを送りました。
 平和も人権も社会保障もたたかってこそ、これが歴史の教訓です。

 人々のいのち、健康に深く関わる医療・介護・福祉に従事する者として、意思表示と行動を起こし、戦争する国づくりと、「医療追い出し、介護とりあげ」の社会保障削減が一体となった政治の中で、引き続き、運動を強化し前進しましょう。