理事会(2026年6月)増田会長あいさつ
【増田会長あいさつ】
イランでの戦闘の応酬、イスラエルによる執拗なレバノン攻撃で、多くの市民のいのちが奪われました。そして、ホルムズ海峡封鎖による原油関連品の流通不全は世界経済を混乱させ市民生活へ深刻な影響を及ぼしました。
ガザ支援に向かう途中、イスラエル軍に拘束され数々の拷問を受け、釈放・帰国後に病院で療養した活動家の記者会見の様子がネットで公開されています。鼓膜穿孔や横紋筋融解など、拷問の凄まじさには閉口するばかりであり、それを面白がるかのように振る舞うイスラエル兵の精神構造に狂気を感じました。戦闘が終わらないということは、すなわちこうした苛烈な人権侵害が続くということです。
核不拡散条約(NPT)再検討会議が終了しました。成果文書が確定に至らなかったのは3回連続となり、世界中の人々を落胆させました。その原因が核大国の後ろ向きの姿勢にあることは明らかです。一方で、あらかじめ準備された成果文書案には、国連憲章の遵守、非核兵器国への核使用・核威嚇を行わない、第6条にもとづく核軍縮の履行などが盛り込まれ、7割を超える締約国がそれを支持したことは大変意義深いことであり、秋に予定されている核兵器禁止条約TPNW再検討会議への大きなステップになりました。
現在、日本政府に核兵器禁止条約への署名批准を求める意見書採択が、全体の4割を超える749自治体に広がっています。この成果を確信にして、夏から秋への核廃絶運動を攻勢的に進めていくことが必要です。
健康保険法改正案が成立しました。参議院での議論は一定の深まりを見せ、立憲民主党、公明党、日本共産党、れいわ新選組、社民党、沖縄の風が反対の意思を示しました。争点となった高額療養費の自己負担増や「一部保険外療養」創設などで、その問題点が浮き彫りになりました。「一部保険外療養」の創設に関しては、その範囲がOTC類似薬に限らず他の診療部分にも及ぶとした5月21日の政府見解に対して、一部野党が猛反発し、最終的には「薬剤のみを対象とする」と、国の法解釈を修正させたことは大きな成果です。しかしながら、政府・厚労省は条文の修正を求める野党の意見を一顧だにすることなく採決を強行しました。付帯決議には、「一部保険外療養の対象範囲については、薬剤以外の診療行為を含めるべきではないという指摘もあったこと等を踏まえ、十分に検討すること」と、記載されましたが、これでは歯止めになっておらず、今後保険外療養の拡大に繋がることが強く懸念されます。
韓国人道主義実践医師協議会・健康権実現のための保健医療団体連合で、その中核として活躍されたウ・ソッキョン先生が6月7日に闘病の末、この世を去りました。不条理に対して猛然と怒り、運動の成果を豪快に喜び合い、酒を酌み交わし大声で歌い、そして、虐げられている人々に最大の愛情を注いだ情熱の人でした。葬儀には、先生とともにたたかってきた仲間や後輩の皆さんが集い、全日本民医連から入江事務局長、長瀬元事務局長が参加しました。今後も韓国の仲間たちとの連帯を一層強化し、“平和と人権はたたかわないと勝ち取れない”というウ先生の教えを胸に、これからも頑張っていきます。
第221国会は現在進行形であり、国旗損壊罪や議員定数削減など緊急性も必要性もない悪法が続きます。その後は、スパイ防止法や安保三文書改定、そして憲法改正へとエスカレートしていくことが画策されています。数の力での悪行強行を何としてもストップさせなければなりません。
人々のいのち、健康に深く関わる医療・介護・福祉に従事する者として、意思表示と行動を起こし、戦争する国づくりと、「医療追い出し、介護とりあげ」の社会保障削減が一体となった政治の中で、引き続き、運動を強化し前進しましょう。
