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声明・見解

声明・見解

【声明2026.07.13】改定個人情報保護法の成立に強い懸念を表明し早急な見直しを求めます

2026年7月13日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
医療部長 山本明広

 AI(人工知能)モデル開発やデータ活用を推進する目的で、個人情報を本人の同意なく、実名のまま第三者に提供する規制緩和を盛り込んだ個人情報保護法改定が7月10日、参議院本会議において可決されました。
 全日本民医連は個人情報保護法の大原則である本人同意による情報提供をなし崩しにし、憲法が保障する基本的人権の一つであるプライバシー権に基づく「自己情報をコントロールする権利」を行政の判断によって実質的に後退させる今回の改定に強い懸念を表明し早急な見直しを求めます。
 今回の改定により、AI開発や統計作成等を目的とする場合、本人の同意なく個人情報を利用できる「特例」が新たに設けられました。病歴や犯罪歴など「要配慮個人情報」までも、匿名化を義務付けないまま、本人の同意なく、外部の企業等に提供できることになりました。
 医療情報やゲノム情報は、病歴や診療内容、遺伝的情報など、個人の尊厳に深く関わる極めて機微性(センシティブ性)の高い情報です。これらは本人だけでなく家族にも影響を及ぼし得るものであり、一般の個人情報とは異なる慎重な取扱いが求められます。患者が安心して医療を受けるためには、「自らの情報は適切に守られる」という信頼が何よりも重要です。その信頼が損なわれれば、必要な受診や治療、研究への協力にも影響を及ぼしかねません。
 また、本人の知らないところで個人情報が収集・分析・照合され、プロファイリングやスコアリングに利用されることは、就職、保険、教育、金融など社会生活の様々な場面において、不当な評価や差別につながる危険性があります。個人情報の利活用を認めるのであれば、少なくとも個人を識別できない状態への加工を法律で義務付けるなど、実効性のある保護措置を講じることが不可欠です。さらに、「統計情報等」の範囲や利用方法など、国民の権利に関わる重要事項が法律ではなく委員会規則等に委ねられていることも問題です。制度の基本となる事項は法律で明確に定め、透明性を確保することが求められます。
 デジタル技術の発展は医療の質の向上に大きく貢献する一方、その活用は個人の尊厳と人権を守ることが大前提です。私たちは、企業の利潤を目的にデータ利活用の促進のみを優先することなく、患者・国民のプライバシー権と自己情報コントロール権を確実に保障し、個人情報漏えい、悪用及び差別的利用を防止するため、本改正の成立に強く抗議し、早急な見直しをはかることを求めます。

以上

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