ビキニフォールアウト被ばく 船員らの被害認定へ学び深める
全日本民医連被ばく問題委員会は昨年12月21日、ビキニ事件学習会をWEBで開催。会場の委員らを含め約70人が参加しました。
講師は、長年被爆者医療に携わり、ビキニ被ばく船員訴訟も支援する齋藤紀(おさむ)さん(医師、福島・ふれあいクリニックさくらみず)。「ビキニフォールアウト被ばくの医学的影響について―低線量率被ばくの包括的理解に向けて」と題し、米国のビキニ核実験による放射性降下物を浴びた船員らに関する数少ない記録や論文を分析した結果を報告しました。
1954年3月に被ばくした漁船第13光栄丸、神通川丸のほか、齋藤さんが協力し、昨年9月にNHKスペシャル「封じられた“第四の被曝”」が報じた、海上保安庁調査船「拓洋」(58年に被ばく)にも言及。日米両政府は外部被ばく線量が低いことから、船員らの症候と核実験との因果関係を否定し被害を認めませんが、「拓洋」の事例で診察した米軍医は疑問を呈していたことも指摘。共通する多彩で持続、発展的な症候、末梢血所見、後遺症から、フォールアウト被ばくの特徴をのべました。
(民医連新聞 第1822号 2025年2月3日号)
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