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民医連新聞

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医療生協をまるごと体験 「まちづくり・健康づくりフェスタ」に1800人 愛知・みなと医療生協 未来のケアワーカー興味津々

 愛知・みなと医療生協は、3月9日に第30回まちづくり・健康づくりフェスタ(以下、フェスタ)を開催しました。地域支部活動や班会紹介、医療・介護活動を生協組合員(以下、組合員)や地域住民に知ってもらう機会です。今回は48の体験企画と42の展示発表で、医療生協をまるごと体験できる企画が満載でした。組合員と職員がともにつくりあげ、多くの子どもを含む約1800人が参加した、フェスタの様子を伝えます。(松本宣行記者)

半年がかりでフェスタを準備

 フェスタ前日の午後、会場のレインボーセンターを訪れると、組合員と職員のみなさんが、準備に奔走していました。
 実行委員長の寺川真由美さん(常任理事)は、フェスタについて「元々は組合員の活動交流会という位置づけでした。地域に開かれたフェスタにしようと『まちづくり・健康づくりフェスタ』に改称し、年々、地域から親子連れで参加する人たちが目立つようになりました。次世代につなげるために、実行委員会から医療・介護体験ができないか、という意見があり、病院から手術室体験などの企画が出てきました」と経緯をふり返ります。
 フェスタは、購買生協やユニセフをはじめ、さまざまな団体にも参加を呼びかけ協同しています。また、職員の側からは、日頃の医療や介護活動の紹介や、地域への班会メニューを体験してもらう場として位置づけ、企画を相談しています。こうしたとりくみを、組合員と職員で構成している実行委員会で、半年かけて準備します。
 「初めて参加する実行委員も、回を重ねるごとに、意見を出し合うようになり、徐々にフェスタの雰囲気がつくられていきます」と寺川さんは話します。

記念講演に400人超

 当日、地元の高校吹奏楽部と中学合唱部、小学生らによる太鼓の演奏で幕開けです。
 協立総合病院副院長の中澤幸久さん(医師)による記念講演「多くのがん患者さんから学んだ外科医人生」では、多くの患者とのエピソードから、患者の知る権利、患者の自己決定権の大切さ、そして人生会議(ACP=Advance Care Planning)に触れて「生きることに向き合い、最後まで自分らしい人生を」と締めくくると、会場は400人超の参加者の拍手で満たされました。

どれもわくわく!体験企画

 48のわくわく体験企画のひとつ、手術室体験は、およそ100人が参加しました。ガウンを着用し、腹腔鏡体験や結紮(けっさつ)体験がはじまると、子どもだけでなく、大人も夢中です。看護師志望の高校生は「難しかったけれど、結紮が一番楽しかった」と感想を教えてくれました。
 薬局が企画した「リラックス麹(こうじ)ローションづくり」の参加者は「初めて知ったハーブがありました」と話しました。
 透析室は紙芝居で、透析について説明します。同医療生協では、医療生協の班会に、職員が疾患の予防や治療について説明する紙芝居を持参して参加し、レクチャーしています。
 救急外来の「あなたがつなぐ『救命リレー』」では、老若男女が胸骨圧迫に挑戦。参加した子どもに「人が倒れていたら、助けてあげる?」と尋ねると、医師になり切って「お医者さんだから助ける」と力強く答えてくれました。
 地域の班会メニューである「ちゅーぶ体操」や「吹き矢」「銭太鼓」などの体験企画も、盛況でした。この他、支部や事業所の活動を模造紙にまとめた展示作品も力作ぞろいで、参加者が見入っていました。

良い地域・医療・福祉をともに

 最後に副実行委員長の西川恵理さん(医師)が「地域のみなさんと職員が交流し、笑顔で語らい、良い地域社会・医療・福祉をつくる機会になったと思います」とあいさつをしました。

(民医連新聞 第1828号 2025年5月5日号)

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