診察室から 憧れの外科医、続けられる要因は環境にあり
愛知・協立総合病院外科の南雄介です。2025年の4月で外科に所属して7年が経過し、8年目が始まりました。
もともと私は、大学生時代には愛知民医連の奨学生としてお世話になっていました。医師となり、現在は外科医として働いています。手術では、昨年の当院における胃がん、大腸がん、胆石胆嚢炎、鼠径ヘルニア、虫垂炎の術式にて約8割が腹腔鏡手術でした。当院でも腹腔鏡での手術を積極的に行っています。
がんに対する治療では、告知から手術までの管理、手術、術後のフォローの検査を行っていく間に、患者やその家族と自然と関係が深くなっていきます。そのため、術後経過が良ければよいのですが、転移再発した患者や、初めから手術適応なく化学療法を行っている患者の場合には、バッドニュースを伝えるのがとても憂鬱(ゆううつ)になります。年次を重ねるごとにがん患者を担当することが多くなってきており、そういった場面に直面することも増えています。その際、手術の技術や知識は当然必要になりますが、面談中の重い雰囲気のなか、患者家族への配慮の言葉、医師としての振る舞い、こういう時どうしたらよいのかなど、いまだに悩み、試行錯誤をくり返しています。
外科は病気を治すために手術を行うことで患者に侵襲を加える、過酷で成り手が少ないと言われる科ですが、そのなかで身をおいて今日までやっています。もちろん手術を行う外科医がかっこよく、憧れがあり、自分もそうなりたいという思いが続けている要因としてありますが、一番大きな要因は、諸先輩方のサポート体制のある職場環境にあると思っています。現在、当院外科は中規模病院としては比較的人数がおり、分野別でも幅がひろいです。そのため、手術ごとに各先輩からの的確な指導、助言をもらっています。学術面でも学会発表を比較的積極的に行っています。忙しくとも、とても良い環境にあり、今後も励んでいきたいと思っています。(南雄介、愛知・協立総合病院)
(民医連新聞 第1829号 2025年5月19日号)
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