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民医連新聞

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非正規公務労働者の誇りと怒り ⑥労組と出会った特別支援学校介助員~その2 文・写真/緒方 純子

 「つながる、続ける、立ち上がる」をコンセプトにした新しい運動=3Tアクションは、たちまち全国の会計年度任用職員の心をつかみ、ひろがりを見せました。
 アンケートは、組合員はもちろん、組合未加入者の思いもくみ取り、多岐にわたる職場から意見が寄せられました。
 全国ではこんなにも非正規ががんばり、市民サービスをささえているのかと、自治労連本部も驚きを隠せませんでした。
 全国各地で会計年度任用職員の悲痛な叫びを「記者会見」という形で公表し、たくさんの声に後押しされる形で、省庁交渉などにも勢いがつきました。その結果、正規同様の賃上げ、人事院勧告通りの4月遡そ 及きゅう実現、勤勉手当の支給などが、次々に実現しました。
 毎年行っている「非正規交流集会」では、職種ごとに語り合うことで地域によって処遇が違うことや、働き方の違いなどが浮き彫りになり、自分たちの要求の重点項目を見直すきっかけにもなりました。
 会計年度任用職員の処遇が大幅に改善されたとはいえ、まだまだ正規職員との格差は大きく、全国一斉に処遇が改善できたかというと、そこまではできていないのが残念な現実です。
 全国では正規と全く同じ仕事の内容なのに低賃金で、明日の雇用の不安を抱えている会計年度任用職員が多くいます。
 今、各地の自治体では財源不足を理由に、学校や保育所の給食調理、図書館司書、保育士、病院受付などの職が民間委託へ移行されたり、学童保育事業そのものが民間へ委託されたりと、質の低下や労働条件の低下、雇止めなど、次々に問題が出てきています。
 大阪では、学童保育の指導員の一方的な解雇の問題が、大きく報道されました。 組合が市民を巻き込んだ運動の結果、勝利を勝ち取ることができましたが、職場復帰はできなかったという、残念な事例もありました。(つづく)


●おがた・じゅんこ 兵庫自治労連書記長。自治労連非正規公共評幹事。

(民医連新聞 第1831号 2025年6月16日号)

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