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民医連新聞

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天海訴訟で最高裁が差し戻し 自己決定無視の「無責任判決」

 65歳を境に障害者総合支援法にもとづく自立支援給付が打ち切られ、サービス内容や自己負担額の異なる介護保険利用を強いられるのは不当だと、天海正克さんが千葉市に処分取り消しなどを求めた訴訟で7月17日、最高裁判決がありました。最高裁は、市の対応が違法であったかは判断せず、天海さんが勝訴していた東京高裁の判決「千葉市敗訴部分」を破棄し、その内容について再び東京高裁にて審理を尽くすよう求める、「差し戻し判決」となりました。また、最高裁は「障害者総合支援法7条には、介護保険優先原則が規定されている」と強調しました。
 判決後の報告集会で、天海さんは「納得できないが、がんばっていく」とのべました。弁護団の向後剛さんは、「介護保険優先原則を当然のように認めた最高裁が問題である」と指摘。今後の高裁に向け、「知恵を絞ってがんばっていきたい」と話しました。
 原告の意見書を作成した、金沢大学名誉教授の井上英夫さんは、「人権の砦と言われる最高裁での無責任判決だ」とのべ、「最高裁で自己決定の議論すらされていないことが問題。人権保障や憲法の視点から考えてほしい。今回の判決を受け、国の社会保障全体を見直す決意の機会にしよう。学び、これからも、ともにたたかい続けよう」と呼びかけました。
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(民医連新聞 第1834号 2025年8月4日号)

 

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