診察室から 「人を診る」医療と私の人生
私は、長崎大学を卒業後、長崎県の国立病院機構長崎医療センターの、総合診療プログラムで研修を積んできました。その研修の一環として、2年前から長崎民医連の上戸町病院で働き、今年度より正式に入職しました。
私には、今年4歳になる子どもがいますが、とてもヤンチャな男の子で、毎日夫婦ともどもクタクタになりながら育児や家事、仕事に奮闘しています。
上戸町病院に入職しようと思った理由は、「人を診る」という理念に深く共感したからです。病院で働くスタッフは、同じ理念のもとで日々働いており、患者を病気だけではなく、その人の生活全体からとらえ、その人にとっての最善の医療やケアはなにかを、いっしょになって考え、提供しようと協働しています。そんな病院全体の雰囲気に触れ、「ここでみんなとこれからもいっしょに働きたい」と強く感じ、入職を決めました。
入職してからは、スタッフのみなさんとともに、悩みや考えを共有しながら、日々楽しく働いています。そんな私の今の目標は、「まちづくり」と「長崎に仲間を増やすこと」の二つです。地域の人びとが安心してくらせる、子どもたちが健やかに成長できる地域社会をつくりたい、と思います。そのためにも、長崎にもっと総合診療医や家庭医の仲間を増やしていきたいと思っています。私自身、ようやく今年度の専門医試験を控えている未熟者ではありますが、長崎に総合診療医や家庭医が増えれば、地域の医療はより充実し、患者一人ひとりに寄り添った医療が実現できるのではないか、と思います。そのためにも、微力ですが、できることに少しずつ挑戦し、「まちづくり」を通して地域に貢献していきたいと考えています。そして、総合診療や家庭医の魅力をより多くの人に伝え、ひろめていきたいと思います。
仕事も、家庭も、地域活動も、私にとって大切な人生の一部です。これからも楽しみながら、地域医療に、貢献していきたいと思います。
(梅木悠希、長崎・上戸町病院)
(民医連新聞 第1837号 2025年9月15日号)
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