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民医連新聞

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非正規公務労働者の誇りと怒り ⑬がんばればかなうことがある!~その2 文・写真/緒方 純子

 にわかに暗雲が立ち込めた市教育委員会との協議は、それ以来遅々としてすすまず、時間だけが過ぎ入札の時期が来て「また3年後」をめざさなければならなくなりました。組合を立ち上げた張本人の私と友人が同時に退職することになり、それまでも少しずつ減ってきていた組合員に託された問題は残されたメンバーには大きな重い課題だったでしょう。
 そんななか、市長が発した「財政構造改善計画案」は厳しいもので心が折れそうになりました。市全体の職員の削減は会計年度任用職員ももちろん含まれます。開庁時間も短くなり、市民サービスの低下が危惧されています。業務効率を最優先で各部署が計画を出さなければならなくなった時、教育委員会は「介助員をバス添乗させて委託料を削減する」ということに目を付けたようでした。これは市民サービスも低下させることなく大きな単位で予算を削減させられますので一石二鳥の解決策と考えたのでしょうか。
 「バス添乗問題を再度考えていきたいので協議をお願いします」と当局が言ってきたとき、現委員長はまた徒労に終わるのではないかと悩んだようでしたが、私は「今がチャンス!」という思いで背中を押しました。また、委員長は前述のもう一つの組合と「前回のように途中から翻意して協議内容をややこしくさせないでほしい」など幾度も話し合っていました。その甲斐あってか懇談・協議はスムーズに運び当局側からの提案もどんどん具体化していきました。
 2026年度から一部ではありますが、介助員が添乗をするバスが子どもたちを乗せて走ります。その次は半分、その次は全台となる予定です。このように、民営化されるときは一気にすすみますが、取り戻すには十余年の歳月を要するのです。全国でもいろいろな業種で民営化がすすめられようとしていますが、少しでも早く対応できるように組合の力を大きくしておかなければならないと、教訓として伝えていきたいと思います。


●おがた・じゅんこ 兵庫自治労連書記長。自治労連非正規公共評幹事。

(民医連新聞 第1838号 2025年10月6日号)

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