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民医連新聞

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こんなにヤバい!! 日本の食糧事情 (22)原産地がわからない 原料原産地表示

 食品表示は消費者の権利の一つである、知る権利、選ぶ権利を行使するもっとも大切な手段です。食品衛生法、JAS法などに分かれていた食品表示関係法令は、食品表示法(2015年施行)に一元化され、消費者庁の所管になりました。食品表示法には基本理念として情報提供など、消費者の権利の尊重がうたわれていますが、「事業者への配慮」も重視されています。
 いま焦点になっているのが、原料原産地表示です。原料原産地表示はJAS法で一部食品のみに規定されていましたが、食品表示一元化を機に、全加工食品(輸入食品を除く)が対象になりました。
 原料原産地表示は原則、国別重量順表示です。(表示する原産地が2以上ある場合には、製品に占める重量割合の高いものから順に国名を表示。3カ国以上の場合には、3カ国目以降は「その他」と表示することもできます。今後の1年間で、国別の重量順位の変動や産地切り替えが行われる見込みがあるため、国別重量順表示が困難な場合には、「又は表示」「大括り表示」を行うこともできます。「又は表示」とは、国別重量順表示が困難な場合、原料原産地の可能性のある国を使用が見込まれる順に表示するものです。国別重量順表示と同様に産地の3カ国カ以降を「その他」と表示することができます)「大括り表示」とは、3カ国以上から輸入の場合は「輸入」と表示できるものですが、これではどこの国からの輸入かわかりません。
 対象原材料が加工原材料である場合は、製造地表示を基本とします。「加工原材料」とは、食品の原材料のうち、すでに加工品の状態になっている原材料を指します。小麦粉のように1種類の原材料からなるものと、マヨネーズのように複数の原材料からなるもの(複合原材料)とがあります。
 「加工原材料」が重量割合上位1位であれば、その原材料の名称に対応した製造地を表示することが基本です。加工原材料が国産品の場合には「国内製造」と、輸入品の場合には「○○製造」(○○は原産国名)と表示します。これは、中間原料の製造地を表示するもので、原産地は表示されません。「国内製造」という製造地表示は、国産原料が使われていると誤解されるおそれがあります。

(民医連新聞 第1838号 2025年10月6日号)

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