非正規公務労働者の誇りと怒り ⑭子どもの生活を豊かにする、支援員が働きやすい学童をめざして 文・写真/大内 理枝
「おかえり」「ただいま」で始まるのが学童保育の1日です。1人ひとりの子どもの「ただいま」の声には子どもたちの様ざまな思いが込められています。その声を読み取り、子どもに寄り添い、成長発達を願い、子どもたちと生活を作っていくのが支援員の仕事です。
学校での楽しいこと、悲しいことを、堰を切ったかのように話してくる子、話したいけど話せない子。子どもの姿は様ざまです。子どもたちの気持ちを読み取る力を培っていくことは、支援員の専門性を高めていくことにつながります。
支援員の仕事は子どもたちの成長発達を援助するだけでなく、子どもの育ちに不安を抱える保護者の援助︑学校との連携︑地域住民に学童保育を理解してもらうための活動など多岐にわたります︒しかし︑自治体で働く支援員の多くは︑パート・臨時嘱託・会計年度任用職員です。民間学童では正規雇用の支援員もいますが限られています。非正規雇用が多いため賃金や労働条件は決して良くなく、長期に働き続ける支援員は少ないのが現状です。
専門性が求められる学童保育の職場は、そこに働く支援員が働き続けることができる労働環境をつくっていくことが大切です。学童保育の仕事を地域住民に理解してもらうことで、学童保育は大事な仕事だということをひろめたいと思います。
子どもの人数は減ってきていますが、働く保護者が増えているため、学童保育に通う子どもたちは年々増加してきています。そのため大規模化がすすんでいます。広島市では1小学校5クラスの小学校もあります(1クラス人定員)。また、支援員の欠員状態が常態化している地域も多く、1人の支援員にかかる仕事量の増大が支援員を苦しめています。しかし、子どもが大好き、子どもといっしょが楽しい、そのことが毎日の仕事の励みになっています。
学童保育が子どもにとってより生活を豊かにし、支援員にとってより働きやすい職場にしていくため、みなさんとともに努力していきます。
●おおうち・りえ 広島市留守家庭子ども会指導員労働組合執行委員。
(民医連新聞 第1839号 2025年10月20日号)
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