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民医連新聞

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非正規公務労働者の誇りと怒り ⑮大和郡山市で働く非正規労働者の処遇改善をめざして 文・写真/保川 太志

 まずは軽く自己紹介をします。私は奈良県大和郡山市で現業職として働いて、今年で27年目の50歳です。仕事内容はゴミの収集作業・資源リサイクル業務です。さて、本題に入ります。私が27年働いてきた職場で、大きな出来事が二つおきました。
 一つ目は2020年から制度化された、会計年度任用職員制度です。前年の団体交渉と事務折衝は、合わせて二十数回におよび、全職種は更新年限なしを勝ち取りましたが、職種によっては、7時間45分勤務を15分短縮され、パートタイム雇用となってしまいました。私の職場はなんとか月額フルタイム勤務を守れましたが、同じ会計年度任用職員間で、年収面の格差が開いてしまいました。
 詳しく書きたいですが、字数の都合で休暇に限定すると、年間休日は正規職員とほぼ同じですが、病休は正規90日、私たちは21日です。今後90日を勝ち取れるように、仲間のみなさんと努力していきたいです。
 二つ目は2020年後半からのコロナ禍です。学校が休校になって以来、ゴミの量が急増しました。普段なら家にいない時間に、子どもたちが家にいるので、ゴミが増えるのは当たり前です。私は高齢の両親と同居です。日々感染のリスクをかかえながらのゴミ収集。何度かゴミ袋が破裂して、鼻をかんだ後のティッシュペーパーが顔面を直撃したことが!!
 様ざまな精神的なプレッシャーとたたかいながら、全労連のケアワーカー記者会見に出たことがきっかけで、新聞や関西のTVの取材を受け、組合活動は、団体交渉などの活動だけでなく、マスコミを通して、世論に訴えるというよい経験ができました。この二つの出来事は私の今までの人生で最大の精神的プレッシャーとなりましたが、乗り越えてみるとなんだか心に余裕ができたというか、度胸が付いたのか? 当局にガツンと言えるようになりました。
 今後も非正規労働者の処遇改善をめざして、組合活動をがんばっていきたいです。みなさん、ともにがんばりましょう。


やすかわ・たかし 大和郡山清掃関連労働組合委員長。

(民医連新聞 第1840号 2025年11月3日号)

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