窓口負担増重い6割に 配慮措置の継続と実態調査を 全日本民医連
全日本民医連は、医療費窓口負担2割化の実施後3年目の今年、主に75歳以上の高齢者を対象にアンケートを行い、42都道府県から1万5735人の回答が寄せられました(うち、75歳以上で「現在2割負担」は6365人)。医療費の負担感や受診動向、生活実態などのアンケート結果について、負担軽減の配慮措置の9月末終了を前に、9月26日に厚労省で記者会見を行いました。
全日本民医連の岸本啓介事務局長は「物価高騰が高齢者のくらしや負担感に顕著に影響していることは明らか。今、配慮措置をやめるときか」とのべるとともに、負担増は9000円程度という根拠も、どの程度現役世代の負担軽減になるのかも説明不足と指摘。「窓口負担増は医療アクセスに重要な影響を与える」と問題を指摘しました。
調査概要は全日本民医連事務局次長の山本淑子さんが報告。「現在2割負担」の6365人中、窓口負担が「重い」が2739人、「とても重い」も1075人でした。また、「今まで通り受診している」人も、重複回答で、食費や水光熱費を節約し、これ以上は切り詰められない、このままでは受診できなくなると訴えています。
オンラインで参加した全日本民医連副会長の柳沢深志さん(医師)は、窓口負担の重さから、負担割合や年齢に関係なく、必要な医療行為を減らさざるを得ない状況になっていると指摘。国に対し、2割化と配慮措置の終了による現役世代の健康保険料や医療費の削減額、受診抑制の実態を調査すべきと要求、「守るべきは市民のいのちと健康」と結びました。
(民医連新聞 第1840号 2025年11月3日号)
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