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民医連新聞

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フォーカス 私たちの実践 未来の民医連医師の育成を共同組織とともに 千葉民医連/千葉健生病院健康友の会 後継者対策をオール地域で

 共同組織とともに未来の民医連医師を育てようと学生にはたらきかけた実践。全日本民医連第17回学術・運動交流集会で、千葉民医連医学生担当の宮島郁央さん(事務)と千葉健生病院健康友の会事務局長の古澤祐子さん(事務)が報告しました。

 民医連の医学生にかかわる活動には、(1)医学生の民主的な成長と運動の発展を促すこと、(2)民医連の後継者確保の2つの任務があります。千葉民医連もこの任務を基本に、個人面談、学習会、フィールドワークなどを行っています。
 しかし医師集団や県連医学生委員会だけの活動になることが多く、「民医連で長く働き続ける医師になってもらうには、民医連の魅力を医師集団以外から伝えていくことも大事では」と医学生委員会で話し合いました。そこで、千葉健生病院健康友の会に声をかけました。医療活動が地域にささえられていることを、医学生たちに知ってもらいたかったからです。
 まず同委員会と友の会がどんな活動をしているのか紹介し、お互いの役割を知ることから始めました。意見交換を重ねるうち、「学生たちに、みんなでいっしょにとりくむ達成感を味わってもらうなかで共同組織を感じてもらおう」と一致。年末を迎える時期にさしかかったため、そばを打つことにしました。
 同友の会にはサークルが13あり、そばうちサークルは夏休みにも「子どもそば打ち体験」を行っていて好評です。きっと学生たちにも喜んでもらえると思いました。
 医師、医学生だけのとりくみにしないため、つながりのある高校生や看護学生にも声をかけました。

■地域に目を向けられる医師に

 2024年12月27日、公民館の調理室を借りて、そばうち交流会を行いました。医学生4人、看護学生2人、高校生1人、友の会員7人、職員5人が参加しました。
 友の会員と学生たちは約60歳年齢が離れていますが、いっしょにそばを打つなかで話がはずみ、あちこちから笑い声も。つくったそばをおいしく食べました。
 友の会が震災復興支援で取り寄せた能登おでんも出し、「いままで食べたことがないほどおいしい」と好評。友の会の歴史と居場所づくり、健康相談、日帰り旅行など活動の紹介、民医連の能登支援報告、みんなで短歌をつくる「短歌ゲーム」、奨学生活動の紹介と将来の医師像も発表し、「地域にも目を向けられる医師になりたい」と医学生。会話のなかで、友の会員が「患者の話を聞くやさしい先生になってね」「健生病院に来てね」と期待を伝える場面が。医師国家試験を控えた時期でもあり、合格を願ってエールを送りました。
 この交流会で、学生に民医連の魅力である共同組織を知ってもらうことができました。学生からは「地域の活動に参加できてよかった」「ほかの活動にも参加したい」との声が。友の会も自分たちの活動に自信を持てました。激励を受けた医学生たちは、友の会が地域の人と人をつなぎ、健康なまちづくりをすすめる大切な役割を果たしていることに気づき、地域に目を向けられる医療従事者に向けた一歩を踏み出せたと思います。

■医師になる実感わいてきた

 年明けの3月に医師国家試験の合格発表。合格の一報を聞いて、いてもたってもいられなくなった友の会の仲間はお祝い会を実施。手づくりのくす玉を割り、お祝いソングを送りました。参加した学生は「こんなに祝ってもらえるなんてうれしい。医師になる実感がわいてきた」と喜んでくれました。
 友の会活動を通して地域の声を直接聞いた学生たちが、今年研修医に。その一人は後日、「『まず診る、援助する、何とかする』という医療を実践するには、友の会は
欠かせない」と言ってくれまし
た。
 これからも後継者対策を、オール千葉民医連、オール地域ですすめていきます。

(民医連新聞 第1842号 2025年12月1日・15日合併号)