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民医連新聞

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非正規公務労働者の誇りと怒り ⑱すべての自治体職員に公平な災害補償を 文/岩手県自治体公務公共一般労働組合 

 東日本大震災では、岩手県内の162人の自治体職員(非正規職員を含む)が津波の犠牲となりました。地域住民のいのちをまもるため、避難誘導など最前線で尽力した職員たちの行動は、まさに公務そのものであり、最大限の敬意と補償が求められるものです。震災から4年後の2015年、陸前高田市職員が「特殊公務災害」として認定されました。
 従来、警察や消防などの一部職種に限られていたこの制度が、宮城県などの尽力を通じて自治体職員にも適用されたことは大きな前進でした。しかし、その対象はあくまで正規職員に限られ、避難誘導などに従事していた、臨時・非常勤職員には、依然として適用されていません。
 1995年以降、雇用制度の転換により、非正規雇用が急増し、公務の現場においても非正規職員が、不可欠な存在となっています。住民サービスの現場をささえているのは、もはや正規職員だけではありません。にもかかわらず、災害時にいのちをかけた非正規職員が、公務災害と認められず、補償制度の対象外とされる現行制度は、現実と大きく乖かい離りしており、極めて不公平です。
 さらに、地方公務員災害補償制度においては、申請手続きの煩はん雑ざつさや、補償内容の格差といった問題も深刻です。非正規職員は補償対象であっても、任命権者の理解不足や、制度の不備により、申請がすすまないケースが多く、補償額も平均給与額の算定方法により、著しく低くなる傾向があります。
 震災やパンデミックを通じて、公共の役割とそれをささえる職員の重要性が、あらためて社会に認識されました。今こそ、正規・非正規の区別なく、すべての自治体職員が対等に災害補償を受けられるよう、法制度の整備と運用の見直しが必要です。補償対象の明確化、補償内容の均等化、申請支援体制の強化など、実効性ある制度改正が急がれます。それは、過去の犠牲への敬意であり、未来の備えであり、誰もが尊重される社会へとすすむ第一歩です。

(民医連新聞 第1843号 2026年1月5日号)

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