こんなにヤバい!! 日本の食料事情(24)水田・稲作を破滅に導く高市政権
2023年産米不足から始まった米の価格高騰で、現在の米の販売価格は、一応高水準を維持しています。しかし、市場に目をむけると、昨年の60万トンの政府備蓄米放出と20万トン近くに急増した輸入米で供給量が増えた結果、2024年産米在庫が増加し、生産量も前年比66万トン増の748万トンとなり、過剰感を抱えています。
さらに、販売価格が高いので米の消費も少し減り始めています。このまま減っていくと本当に大暴落に陥り、農家は不安にかられています。また、米価が暴落すれば、生産を辞めるという農家が一気にひろがります。米農家は2000年の175万戸から2024年には53万戸にまで激減し、農家の6割近くが70歳以上です。
「令和の米騒動」は、コロナ禍で米の消費が減り、20万トン余って価格が大暴落。それを政府が、「米が今後も余るから生産を減らせ」と、2021年、2022年に大減産を押しつけたことで、結局50万トンもの米不足を招いたことが原因です。加えて、小規模農家の離農がすすみ、つくり手が圧倒的に不足したことです。
これを高市政権は「需要に応じた生産」の名で農家に生産の責任を押しつけ乗り切ろうとしています。
「改正」食糧法が次期通常国会に提出される予定です。米の「生産数量目標の配分」という文言が廃止され、「需要に応じた生産」が法定化されることで、米の需給と価格の安定に責任をもつという国の役割をさらに後退させます。
2026年の米の展望ですが、政府備蓄米をみると、政府は2026年産米の買い入れを21万トン行うと発表しています。しかし、入庫は11月になり、その間、備蓄米は事実上空の状態です。その分を民間が備蓄しているものを活用しようという方針です。さらに、国産米の備蓄を減らした分、さらに輸入米を増やし、備蓄米として活用する方針です。国民には今以上に外米を食べさせようというのです。
備蓄制度が機能しなくなったうえに、今年、不作だったらたちどころに米不足になり、米騒動の再来になりかねません。逆に生産数量目標を少しでも上回ったら、米価の下落が進行し、生産者にとっては大きな打撃です。
米をつくり続けるために、所得補償と価格保障を行うことが必要です。
かつまた まさし 農民運動全国連合会の常任委員 新聞「農民」の編集長も務める
(民医連新聞 第1845号 2026年2月2日号)
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