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民医連新聞

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「笑って帰れる診療所」めざして 患者・利用者の笑顔のため心ひとつに 東京・清瀬診療所

 西都保健生協は「働きがいのある職場づくり」の一環として各事業所で「医療・福祉宣言」づくりにとりくんでいます。清瀬診療所もそのひとつ。診療所の魅力やめざす方向について「笑って帰れる診療所」「なんでも相談できる診療所」などの声が。気になる患者のことも「職種に関係なく伝えあえる」など、職場のよい点を再確認する機会にもなっています。診療所を訪ねました。(多田重正記者)

 「ふり返ってみると、診療所がめざしてきたことや、とりくんできたことを確認しはじめたのは、コロナ禍からなんです」。こう話すのは、看護師長の髙江洲智穂さん。
 診療所では、新型コロナウイルス感染症の患者受け入れについて、感染リスクの不安から意見が分かれていました。かと言って、患者を診ないわけにもいきません。
 そこで「『感染防護の基本的な点をおさえれば大丈夫』と話したら、みんながついてきてくれた」と、所長の大亀路生さん(医師)。「できること」「できないこと」を一人ひとりの職員に確認したうえで、2020年当初から発熱者を受け入れ。受診相談の電話が多数舞い込むなかで、知恵を出し合いながら、対応策を考えていきました。
 診療所前の一時停車場にテントを張り、二人分の隔離室に。発熱外来の患者の会計では、感染防護のガウンを着て診療所を出入りするのは難しいことから、窓からお皿を出してテント内の患者とやりとり。「受け取ったお金まで全部消毒したよね」と事務長の漆野雅美さんが話すと、「やりましたよね」と大亀さんもうなづきます。

「あたたかい診療所だよね。気に入った」と

 受け入れ患者数には限界があり、受診希望の電話を断るしかないことも。職員もつらい気持ちになりましたが、思いを出し合い、「医療機関としてできることをしよう」「患者さんが笑顔になって帰れるようにしよう」と前をむきました。
 テントでは「あたりですね!」と看護師がコロナ陽性を報告し、告げられた患者が笑う場面も。「あたたかい診療所だよね。気に入った」という声や、奮闘する職員を気遣う声も寄せられました。
 「うつむいていた患者さんが笑顔で帰ってもらえるように、患者・利用者と気持ちを分かち合い、心をひとつにしてきた」と髙江洲さん。その実践は、創立時の行動指針「私たちは、笑顔をモットーに納得と信頼、安心・安全の医療を追求します」にも重なります。

お互いを思いやり理解し合う

 今も患者の笑顔は多く、「診療所なのに患者さんが『今日も楽しかったわ』と言って帰っていく」と漆野さん。健康運動指導士の猿渡大悟さんも「本当によく笑っています。職員同士もそうだし、患者さんとも笑っている」と語ります。
 笑顔が生まれる背景には、お互いを思いやり、理解しあう、職場の文化があります。小関早苗さん(看護師)は、「風通しがいい。おたがいの長所、短所もわかったうえでお願いをしたり、職種の垣根も低い」と話します。垣根の低さが、服装の乱れや表情の変化など、患者に関する気づきを診療中に伝えあって共有し、相談、解決にもつながっています。
 「心理的安全性について学ぶ機会もあるが、うちの診療所ではできていることが多いと思う」と髙江洲さん。土屋多真美さん(看護師)も「言いたいことをあちこちで言っている。『今日は疲れた』なんてことも、話す場所があって楽になる」と言います。
 佐藤小織さん(看護師)は「採用時の面接中から、通りがかった職員が『よろしくね』と声をかけてくれた」と雰囲気のよさを証言。すると「人を見かけると、つい話しかけたくなっちゃう」と土屋さんが言って、一同、大笑い。
 医療・福祉宣言は今年度中の完成をめざして検討中。髙江洲さんは「患者・利用者も職員も、笑顔で帰れる診療所でいられるように、みんなで協力していきたい」と語りました。

(民医連新聞 第1846号 2026年2月16日号)

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