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民医連新聞

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こんなにヤバい!! 日本の食料事情(25)市販のパンからグリホサート検出

 私たちの身のまわりには、小麦粉を利用した食品が数多くあります。なかでもパンはもっともポピュラーなもの。その安全性を探るために、農民連食品分析センターは、市販の食パンを購入し、製品中にグリホサート(除草剤の主成分)の残留が認められるかを調査しました。
 検査は、2019年に実施され、食パン13製品で、国産小麦を使用していることが記載されているものが3製品、JAS有機栽培小麦を使用しているものが1製品、特に産地の記載がないものが9製品でした。さらに菓子パン2製品も検査を行いました(小麦粉産地についての記載なし)。
 グリホサートは、15製品中、11製品から検出されました(検出されたものはすべて小麦の残留基準値以下)。国産小麦を使用している製品すべてで、グリホサートは検出されませんでした。日本の、小麦の自給率は約15%で、その多くをアメリカやカナダに依存しており、私たちの身のまわりにある小麦製品の多くは、そうした国で生産した小麦によってまかなわれていることになります。
 今各地で、学校給食に地元でとれた小麦を使ったパンを食べようという動きがひろがっています。和歌山県では、県産小麦のパンを学校給食に使う運動の中心になっているのが、生産者と消費者とのグループ「給食スマイルプロジェクト~県産小麦そだて隊~」です。その力となったのが、食品分析センターによる検査結果でした。
 前述の分析センターの検査結果に衝撃を受けた保護者たちが、県内に麦畑がほとんどないことを知り、「それなら自分たちで小麦を育てて学校給食に提供しよう」と、休耕田を借り、栽培に挑戦。農機具や栽培技術(時には農作業も)は近隣の農家が支援しました。
 「県産小麦そだて隊」では、種まき、施肥、麦踏み、草刈りなどの作業を消費者と生産者がいっしょに行い、交流イベントも実施しています。このとりくみは、有機・自然農法にとりくむ農家をひろげるうえでも、大きな力を発揮しています。県の「農業農村活性化支援モデル事業」にも指定されました。
 和歌山で始まった、食の安全・安心を追求し、自給率を上げ、農業・地域を活性化させるとりくみは全国にひろがっています。
(連載おわり)


かつまた まさし
農民運動全国連絡会の常任委員。新聞「農民」の編集長も務める。

(民医連新聞 第1847号 2026年3月2日号)

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