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民医連新聞

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まちづくりの視点で看護の専門性を発揮 全日本民医連訪問看護ステーション全国交流集会

 2月19日、第46期全日本民医連訪問看護ステーション全国交流集会をWEBで開催し、40県連から191人が参加しました。在宅医療のニーズが高まるなか、各事業所の実践を持ち寄り、学び合う機会になりました。(全日本民医連職員育成部 野口昭彦)

 開会あいさつは全日本民医連理事の平田理さん(医師)。訪問看護が日々のくらしをささえる大切な役割を担っていることを語り、「現場での学びを明日からの実践につなげていこう」と呼びかけました。

■地域に欠かせない存在

 二年前に提起した問題提起のふりかえりを全日本民医連の川上和美副会長が行い、高齢化の進行や入院期間の短縮により、医療依存度の高い利用者が在宅へ移行している現状を共有しました(図)。一方で、制度改定や物価高騰、人材不足などが重なり、現場の負担が大きくなっていることも指摘。こうした状況について、「需要は増えているが、それをささえる体制が追いついていない」という視点をしめし、日々の忙しさの背景をていねいに捉える大切さを提起しました。また、訪問看護は医療的ケア児やがん末期、精神疾患、独居高齢者など、多様で複雑な課題を抱える人びとの生活をささえる存在で、訪問看護は「地域の希望」だと強調しました。

■人材確保の視点から

 学習講演は、「訪問看護ステーションにおける管理運営 ~人材確保と定着~」と題し、埼玉・医療生協さいたまの栗原知亜紀さん(看護師・ケアマネジャー)が講演を行いました。
 課題となっている人材確保について、「まずは辞めずに働き続けられる職場づくりが大切」と。職員からは、「相談しづらい・一人で判断することに不安がある」といった思いがあることも紹介し、安心して話し合える関係づくりの重要性が語られました。
 「怒らない・否定しない・助ける・指示する」“おひたし”といった日々のかかわりが、働き続けられる職場につながるという実践は、多くの共感を集めました。栗原さんは、「訪問看護は決して楽な仕事ではないが、一人で背負う仕事でもない。チームでささえ、地域でささえ、組織でささえる。その仕組みをつくることが管理運営。人を大切にすることが、結果として事業所を守ることにつながる」と呼びかけました。
 その後、大規模ステーション化のとりくみ、チーム制によるささえ合い、医療的ケア児への支援、特定行為研修修了者の役割発揮、腰痛対策など職員の健康を守るとりくみなどの指定報告を行い、各地の多彩な実践を紹介しました。
 東京・ひかわした訪問看護ステーション南池袋の厚美道子さん(看護師)は、事業所としてヤングケアラー関係機関連絡会へ出席。学びや活動を通し、支援の捉え方を紹介します。厚美さんは「地域で活動する訪問看護師だからこそ、まちづくりの観点で看護の専門性をさらに発揮する必要がある」と呼びかけました。
 指定報告はいずれも、訪問看護が医療の枠を越え、生活や社会とのつながりを持っていることを実感するものでした。
 参加者からは、「各地のとりくみを知ることができ、はげみになった」「同じ悩みを抱えていることがわかり心強い」といった声が寄せられました。そして、人材確保や処遇改善、地域との連携など、今後にむけた課題も再確認する機会になりました。
 まとめでは、訪問看護が地域包括ケアのなかで重要な役割を担っていることをあらためて確認しました。厳しい状況のなかでも、利用者のいのちと尊厳を大切にしながら、地域でささえ合う実践を積み重ね、今後も、各地の経験を持ち寄りながら、「いのちとケア」が大切にされる社会をめざして歩みをすすめていくことを呼びかけました。

(民医連新聞 第1849号 2026年4月6日号)