私たちが求めるケア ②会員の手でとりくんだ本人・家族の調査から見えること 文/山内 雅弥
認知症とともに歩んできた仲間同士として、本人・家族の生の声にむき合いたいー。認知症の人と家族の会広島県支部は2024年11月から2025年3月にかけ、認知症の本人と介護家族を対象にした全県調査を、県の委託で行いました。
各地区の世話人(会員)が調査員を務め、本人には直接聞き取り、家族はアンケートに記入してもらう形式で実施。本人68人(50〜90歳代)、経験者を含む家族283人(20〜90歳代)から回答を得ました。県のホームページで公表されている調査結果から、医療に関する項目をいくつか紹介します。
本人に認知症の診断を受けた時の気持ちを聞いたところ、「よく覚えていない」が21人(31%)で最多。次いで「認知症ということで特にショックだった」が18人(27%)、「仕方ない」「受け入れられなかった」という回答も寄せられました。「医療機関についての思いや希望すること」では、「特にない」が29件、「満足」が10件と続く一方で、「本人への十分な説明がほしい(6件)」、「対応に不満があった(5件)」といった声もあがりました。「自分をむいてわかるように話してほしい」という本人の切実な思いも垣間見えます。
診断に同席した家族も同じような印象を抱いているようです。診断時の本人の受け止め方について、家族の58%に当たる165人が「よく理解できていない様子だった」と答え、「本人に告知していない」との回答も11人뗊4%)ありました뗇「診断時に教えてほしい情報」では、今後の症状の変化や対応、治療内容と並んで、「介護サービス利用のための相談窓口」を望む声が目立っています。また、家族があげる「困りごと、つらいこと」のトップ3は、1位「認知症状からの言動への対応(85件)」、2位「精神的負担・ストレス(68件)」、3位「身体介護の負担(43件)」でした。
今回の調査を通じて、医療現場でのコミュニケーションの難しさをあらためて実感しました。本人・家族の思いに寄り添う医療のあり方を切に願っています。こうした声をヒントに、現場のみなさんとともに歩んでいきたいです。
やまうち・まさや 認知症の人と家族の会理事・広島県支部副代表
(民医連新聞 第1850号 2026年4月20日号)
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