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民医連新聞

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高齢化や経済的困難体調不良、メンタルヘルスなど深刻 宮城民医連が災害公営住宅健康調査

 宮城県民医連は3月5日、県庁で記者会見を行い、東日本大震災(2011年)の2025年度災害公営住宅健康調査の結果を公表しました。この調査は2015年から毎年実施しています。同県連の加盟事業所がある自治体を中心に、5市5町の災害公営住宅に居住する4137軒に調査票を配布。直接の聞き取り、各戸ポストへの配布と郵送による回収で集まった600軒のうち、個人情報利用に同意、かつ被災で入居した351軒の回答をまとめました。

 年齢は、70代以上が63・6%(回答者数223)。ひとり世帯も57%(200)で、高齢化の進行と独居の増加が顕著です。
 現在の体調は「とても悪い」が3・1%(11)、「あまりよくない」25・1%(88)。治療が必要な病気も「ある」が78・9%(277)と大多数ですが、体調が悪いときに「受診を我慢することが多い」との回答が16・0%(56)も。我慢する理由は、医療費が55・4%(31)と最多で、交通費、付き添う人がいない、などの理由が続きました。
 メンタルヘルスも深刻です。こころの健康をスクリーニングする「K6」にもとづいて聞いたところ、重度の抑うつをしめす13点以上が8%(28)。「震災を思い出して動揺する」は「いつも」「たいてい」「時どき」をあわせて22・5%(79)に達しました。
 家賃の支払いは「たいへん苦しい」11・7%(41)、「やや苦しい」25・6%(90)。生活が「たいへん苦しい」は21・1%(74)、「やや苦しい」は34・5%(121)で、合計55・6%と半数以上に。この55・6%の人たちが負担に感じているものは、「食費」が83・1%で、「水光熱費」64・1%、「医療費」44・6%の順でした。今後のことで心配に思うことは「健康」が77・2%と突出し、「経済的なこと」「介護」「家賃」と続きました。

生活困窮が不眠や社会参加などに影響

 宮城民医連は、経済的負担感が受診やメンタルヘルスに与える影響についても検討。生活が「たいへん苦しい」「やや苦しい」と回答した群を困窮群、その他を普通群として比較したところ、体調が悪いときに「受診をがまんすることが多い」は、困窮群で23・1%、普通群で5・6%。抑うつ状態も困窮群は12・6%、普通群は3・3%と顕著な差が認められました。困窮群の方が不眠が多く、社会活動への参加も「していない」との回答が多いことも明らかになりました。

「夢も希望もない」「長生きしすぎた」の声

 自由記載では「震災の夢や昔のことを思い出して眠れない」「夢も希望もない」「孤独死が心配」「長く生きすぎてしまった」などの訴えが。「障害のある子どもが心配」「足が痛くてすぐに買い物に行けない」「毎年家賃があがってたいへん」「引っ越し費用もためられない」「働いた分だけ家賃が上がり、働く意欲が持てなくなる」「年金では足りず、体の悪い夫が働いている」などの記載もありました。
 宮城民医連は調査結果から、抑うつ状態の人が多く深刻な声があがっていること、独居の高齢者が増え、コミュニティーの維持が困難になっていること、重い家賃負担や物価高で生活自体がたいへん厳しい状況にあることなどを指摘しました。県や市町村に対する要望として、(1)生活困難や精神面で不安を抱える住民に対しコミュニティーづくりの支援を強化すること、(2)災害公営住宅の家賃に関して被災者が長期的に住み続けられる制度を検討すること、(3)家賃だけでなく生活全体をささえる支援、(4)日常生活や通院に必要な移動をささえる交通支援、の4点を訴えました。

(民医連新聞 第1852号 2026年5月18日号)