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民医連新聞

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副作用モニター情報〈658〉 テリパラチド製剤による消化器症状

 テリパラチド製剤(フォルテオ皮下注:連日20μg、テリボン皮下注:週2回28.2μg・週1回56.5μg)は、ヒト副甲状腺ホルモンアナログとして骨形成を促進し、骨折リスクの高い骨粗鬆症に用いられますが、悪心などの消化器症状が治療継続の障壁となることがあります。

 症例:80代後半女性(身長144cm、体重37kg、BMI17.8)
 テリボン28.2μgの初回投与直後から悪心が出現。その後も投与のたびに症状がみられ、体動によって悪化しやすいため、リハビリの妨げとなっていた。そこで投与タイミングをリハビリ終了後の夕方に変更し、投与後の安静を徹底した結果、悪心は消失。食事摂取量も4割から10割へ改善。開始約1カ月半時点で症状は安定し治療継続が可能となった。

 悪心の頻度は製剤で異なり、国内臨床試験においてフォルテオは2.8%、一方、テリボン週2回と週1回の比較試験では20.2%/31.9%(嘔吐9.0%/13.0%)でした。これらの症状は主に投与開始早期(24週以内)にみられます。
 機序は未解明な点があるものの、中枢および末梢の複合的要因が示唆され、一過性の血清カルシウム(Ca)値上昇や消化管運動の低下などが関与すると考えられています。なお、本症例では投与時の血圧測定値は不明ですが、テリパラチド製剤では投与後の一過性血圧低下に伴い気分不良・悪心などを来すことがあり、機序の一つとして考慮されます。本剤は固定用量のため、小柄な患者では相対的に高曝露となりやすく、腎機能やCa製剤の使用状況も含め高Ca血症の徴候に注意が必要です。
 対策としては、体動で悪化しやすいことを患者に説明し、食事直前を避けるなどの時刻調整と投与後の安静保持が基本です。必要に応じて制吐薬を用い、1回量を抑える製剤変更も選択肢となります。本症例のような小柄な高齢女性では、投与初期の注意深い観察と生活背景に合わせた柔軟な投与設計が治療継続に重要です。

(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

副作用モニター情報履歴一覧

(民医連新聞 第1853号 2026年6月1日号)