• メールロゴ
  • Xロゴ
  • フェイスブックロゴ
  • YouTube
  • TikTok

民医連新聞

民医連新聞

新導入 交通反則通告制度 知っておきたい自転車新ルール

中野すずらん法律事務所

弁護士 久保木亮介さん

 今年の4月から、自転車にも青切符(交通反則通告制度)が導入されました。仕事やプライベートで自転車を使う人も多いと思います。どんなことに気をつけたら良いでしょうか。中野すずらん法律事務所の弁護士、久保木亮介さんが解説します。

■自転車ルールのうち主なもの

 自転車は、歩道と車道の区別がある道路では車道、区別がない道路では道路の左側を通行しなければなりません。例外的に歩道を通行できるのは、(1)道路標識・標示で歩道通行可とされているとき、(2)13歳未満か70歳以上、または一定の身体障害のある人が運転するとき、(3)歩道通行がやむを得ないとき(道路工事や連続した駐車車両などのため車道の左側通行が難しい時、著しく自動車の交通量が多いなど車道通行が危険な時)のみです。
 飲酒運転、二人乗り運転、夜間の無灯火運転、遮断機踏切立ち入り、ブレーキ不良運転、傘差し運転、携帯電話保持運転、イヤホン使用運転は、いずれも禁じられています。
 筆者は天気の良い朝の出勤時は自転車で二駅ほど先まで走ることが多いのですが、観察すると通勤・通学時間あるいは保育園への送り時間は特に、車道の右側走行(逆走)、歩道の高速走行、一時停止せず交差点に進入などの危険な行為が目立ちます。急いでいると「多分事故にはならないだろう」という心理に陥りがちなのでしょう。

■ルール違反した場合 赤切符と青切符

 以上のルールに違反した場合につき、道路交通法は刑事罰(罰金、違反行為によっては拘禁刑も)を定めています。
 ただ、いきなりすべての反則行為に刑罰を科すことは過酷です。(1)反則行為については「指導監督」が基本だが、悪質・危険な違反行為は「検挙」の対象となる、(2)重大な違反や、違反により現実に交通事故が発生した場合は、検挙後に刑事手続きへすすむ(赤切符)、(3)それ以外の悪質・危険な違反行為は、検挙後に反則金(刑罰ではなく行政罰)を課す(青切符)ことで、ルール違反を適正に抑止するというのが現在(今年4月以降)の制度の考え方です。
 たとえば、歩道を徐行せず走行した場合、基本的には(1)の指導監督の対象ですが、歩行者を驚かせ立ち止まらせた場合や、警察官の警告に従わずに歩道通行を継続した場合には、検挙され(3)の反則金の対象となります。さらに、徐行義務違反で事故を起こしてしまった場合、(2)の刑事手続にすすむことになるでしょう。他方で、たとえば酒酔い運転は、事故を起こしていなくともそれだけで(2)の刑罰の対象となります。
 警察庁の「自転車ルールブック」によれば反則行為が113種類もありますが、前述のとおり、すべてが青切符(反則金)や赤切符(刑罰)の対象となるわけではありません。「ルールブック」に目を通し、周囲の運転を観察し、自分の運転をふり返り、やってしまいそうなルール違反を自覚することが、事故の予防につながります。

■交通事故の発生時は

 もし自転車に乗っていて交通事故を起こしてしまった場合、その場から立ち去らず、警察に連絡して下さい。「怪我はなさそうだ」と勝手に判断して走り去ったりすると、後で相手に怪我があった場合に、刑事手続き上、過失傷害罪(刑法209条)だけでなく救護義務違反(道交法117条)にも問われ、罪が重くなりかねません。
 民事上の責任(損害賠償)を問われた場合は、損害の項目と金額、双方の過失の割合などが争点となることが多いので、すぐに回答するのではなく、必ず弁護士に相談するようにしましょう。誠実に交渉することが、刑事手続きで不起訴を実現するためにも重要です。
 歩行者相手の事故では、自転車の過失割合が9~10割の場合がほとんどです。くれぐれも、歩道を走る場合や交差点では、絶対に徐行するようにしましょう。

(民医連新聞 第1853号 2026年6月1日号)

  • 記事関連ワード