• メールロゴ
  • Xロゴ
  • フェイスブックロゴ
  • YouTube
  • TikTok

民医連新聞

民医連新聞

副作用モニター情報〈660〉ゾニサミドによる尿管結石

 ゾニサミド製剤には、てんかんを適応とするエクセグラン、パーキンソン病およびレビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムを適応とするトレリーフなどがあります。「腎・尿路結石」は、いずれの添付文書にも重大な副作用として明記されています。今回、エクセグラン錠の長期服用例における尿路結石の副作用が報告されたので紹介します。

症例:50代男性、身長156cm、体重42kg
既往歴:両側被殻出血、ADL全介助
    気切・胃瘻管理

 20年以上前よりゾニサミド200mgを継続服用していた。約2カ月の間に尿路感染症で3回入院し、結石の存在も確認されていた。入院時血液ガスでは呼吸性アルカローシスを伴うものの、HCO3-19.3mmol/Lと重炭酸イオン低下を認めた。尿道カテーテルを留置し抗菌薬治療を行ったが、最終入院時には敗血症性ショックにいたった。珊瑚状結石を認め結石破砕術は困難と判断し、ゾニサミドの関与を疑い中止、レベチラセタムへ変更。以後、尿路感染症の再発なく経過している。
 本剤は炭酸脱水酵素阻害作用により代謝性アシドーシスを来すことがあり、慢性的な代謝性アシドーシスを介して腎結石リスクを高める可能性があります。
 エクセグラン錠の添付文書では頻度不明ですが、成人てんかん患者を対象としたFDA開発プログラムでは、991例中40例(4.0%)に臨床的に疑われる、または確認された腎結石が報告され、このうち12例は症候性でした。発生率は投与6~12カ月で高いものの、12カ月以降も報告されており、長期投与中も継続した注意が必要です。
 リスク因子には結石の既往・高カルシウム尿症・腎疾患・尿路感染・尿流停滞・脱水・長期臥床・炭酸脱水酵素阻害薬の併用などがあげられます。
 長期投与例、特に臥床・全介助例では、尿検査(尿のアルカリ化、結晶の点検)、腎機能、血清重炭酸イオンの評価を検討し、側腹部痛・血尿・排尿困難・乏尿などの症状に注意が必要でしょう。

 (全日本民医連医薬品評価作業委員会)

副作用モニター情報履歴一覧

(民医連新聞 第1855号 2026年7月6日号)