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民医連新聞

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診察室から 10年先を見据えた病院づくり

 私は長年、リハビリテーション科医として診療に携わってきましたが、2026年4月より病院長を拝命しました。それに伴い、経営について体系的に学ぶ必要性を痛感し、千葉大学医学部附属病院が主催する「ちば医経塾」で1年間の研修を受けることになりました。昨今の医療業界には厳しい逆風が吹き荒れており、日本全国から経営に携わる医療従事者がこの研修に参加しています。
 なぜ千葉大学なのかと疑問に思っていましたが、同大学の前病院長が経営改善にむけて人材を集め、患者中心の医療を実現するために、権威勾配の是正など、数かずの改革を成し遂げてきたことを知りました。その実績が多くの医療者を惹きつけているのだと理解しました。
 研修で突きつけられたのは、医療業界が置かれている厳しい現状と、人口動態がしめすさらに厳しい未来です。物価上昇により急性期病院の収益は悪化し、少子化の影響で医療職を志す若者も減少しています。日本の人口は2004年の1億2779万人をピークに減少してきましたが、2025年からの10年間で1500万人減少するとの予測があり、2100年には4700万人まで減少し、明治時代と同水準になるとされています。つまり、医療に限らず日本社会のあらゆる分野でダウンサイジングが避けられないということです。これまでの発想を大きく転換する必要があります。現状維持を続ける組織は、いずれ立ち行かなくなるでしょう。今や国公立病院の方が必死に変革をすすめています。民医連もまた、自らの理念を守りながら存続していくために、何を変え、何を残すべきかを真剣に考えなければなりません。
 厚労省が掲げる地域医療構想は極めて重要で、積極的にかかわることで地域の医療機関と協調しながら自院が担うべき役割を明確にできると思います。職員とともに議論を重ね、10年先を見据えたビジョンを描き、地域に必要とされ続ける病院づくりをすすめていきたいと考えています。
(金成建太郎、宮城・長町病院)

(民医連新聞 第1857号 2026年8月3日号)