補償は被害者の2%程度 憲法違反の旧優生保護法
旧優生保護法下での強制不妊手術は憲法違反との最高裁判決から7月3日で丸2年を迎えました。被害者への補償の道が開かれた一方で、実際に補償金を認定された人は被害者約8万4000人のうち2%(1862人、5月末)にとどまっています。現状と課題について、日本弁護士連合会が1日、シンポジウムを開催しました。
優生保護法被害全国弁護団共同代表で弁護士の新里宏二さんが講演。最高裁判決後、国と基本合意を結び、国としての謝罪や定期的な協議の場を設けることを確認したと説明。協議では、被害にあったすべての人が補償を受けられるよう、訴訟によらない支給手続や配偶者への補償、サポート弁護士の提案などを行ってきたと語りました。
シンポジウムでは、宮城県に住む田中完智(さだとも)さん(87歳)がサポート弁護士の笠原太良さんとともに被害の実態や、県の通訳者や弁護士のサポートで補償につながった経過を証言しました。聴覚に障害のある田中さんは、ろう学校に通っていた10代後半のころ、何の説明もないまま病院に連れて行かれ、不妊手術をされました。受けた手術が不妊手術だと知ったのは、20歳を過ぎてから。ろう学校の友人から聞かされました。
26歳のとき、不妊手術を受けたことを黙ったまま結婚。その後、子どもができないことを妻に話しました。「妻は子どもがほしかった。『うそでしょ』と言われ、それからずっとけんかした」と田中さんは話しました。県の通訳者を通じて、サポート弁護士も利用し、補償につながりました。
北海道に次いで被害者が多い宮城県では、補償の認定数は198件にのぼり、都道府県で最多です。一方、手術に関連する記録は全体で900件を超えており、笠原さんは「記録のあるすべての人にアプローチしたい」と話します。
新里さんは、「旧優生保護法のもとで国は障害者差別をしてきた。そのことを障害者手帳を持つ人すべてに伝えられるよう、国と協議している。そうしたとりくみを通じて補償の認定を増やしたい」と話しました。
原告の北三郎さん(仮名)もマイクを握り、「すべての被害者に補償を」と訴えました。
7月3日、日弁連がいっせい電話相談を行いました。
(『いつでも元気』編集部 丸山聡子)
(民医連新聞 第1857号 2026年8月3日号)
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