核廃絶は世界共通の課題 平和の思い未来へつなぐ
2026年原水禁世界大会を開催
8月4日、原水禁世界大会(広島)の開会総会が開かれ、8月5日には、分科会と民医連参加者交流集会が行われました。現地の様子を取材しました。
(奥山千佳記者)
「81年前の出来事は、昔ばなしでもおとぎ話でもありません」。被爆者の箕牧智之さんは、開会総会のあいさつでこう話します。
開会総会には3206人(うちオンライン506人)が参加。海外代表のスピーチで、韓国・人道主義実践医師協議会のイ・ソヨンさん(医師)が、「歴史は普通の人びとが連帯した時に変化してきた。今日の危機に立ちむかう私たちには、強い国際的な連帯が切実に必要」と訴えました。
参加した北海道の鎌田衣織さん(事務)は、「国や文化が異なっていても、核兵器のない世界を実現したいという思いは共通している。平和への強い気持ちを感じることができた」と前をむきます。
責任を持ち継承していく
8月5日にはフォーラムと15の分科会が行われました。
分科会「被爆者のたたかいとその継承のために」は、被爆証言を聞き、核兵器廃絶をすすめるための運動を交流しました。
波田保子さんは、9歳の時に広島で被爆。「原爆は、人間らしく死ぬことも生きることも許さなかった」と語ります。また、原爆の影響で父親が寝たきりになり、「父は健康な心と体を原爆に奪われた」と当時をふり返ります。
韓国のイ・ギヨルさんは広島で生まれ、生後5カ月の時に被爆。韓国に戻った後、朝鮮戦争・ベトナム戦争と、3度の戦争を経験。ギヨルさんは、「反戦・反核・平和」と日本語で強く訴えました。
関西学院大学教授の冨田宏治さんが「核兵器の非人道性と禁止条約」について講演。「被爆者の話を聞いた責任を持ち、その責任を一人ひとりが果たしていくことが大事」と力説しました。
会場では意見交換も行われ、参加していたある被爆者は「核兵器によって傷つけられたこのDNAがこの先どこまで続くか恐ろしい。核兵器は未来の子どもにも影響する。その恐ろしさをもっと伝える必要がある」と強調しました。
熊本から参加した山田健太郎さん(SW)は、「日本だけでなく世界で動いていかなければと視野がひろがった」と語り、後藤優佳さん(保育士)は、「未来ある子どもたちの将来を守るために、核兵器を許してはいけない」と言葉に力を込めます。
動く分科会「岩国基地調査行動」では、岩国基地を沿岸部から視察。参加した福井の坂下莉央さん(作業療法士)は「戦闘機などを実際に見て、これが現実かと肌で感じた。現地に行って初めてわかることがあった」と話します。
民医連参加者交流集会を開催
民医連参加者交流集会は13の県連の職員と医学生、韓国から合計211人が参加。すべての県連から、とりくみや原水禁に参加した感想などの報告がありました。
新潟民医連は、7月に下越病院で、千羽鶴のピースバトンを行ったことを紹介。鶴を折るだけでなく、各部署が短冊に平和へのメッセージを付け加えて回覧したことで、部署間の平和メッセージの交流にもつながったことや、今後も平和のアピール活動に積極的にとりくみたいと報告しました。
千葉民医連の佐藤宏樹さん(医師)は世界大会の感想を発言。「平和は願うだけで実現するものではなく、行動を積み重ねることが大事だと感じた」とのべました。
熊本民医連は、先日の熊本地震の状況を共有。「震災は自然災害であり、防ぐことが難しいが、戦争や核兵器は人災であり、止めることができる。どうしていくかをみんなで考えていきたい」との発言に、会場は大きな拍手に包まれました。
自分たちに何ができるか
兵庫の岡田光紗さん(栄養士)は、「今回学んだことを発信し、自分自身ももっと知識を深めていきたい」と意気込みを語ります。
平和の大切さを改めて心に刻んだ参加者たちは、今回の学びや思いを各地でひろげていく決意を新たにしました。
(民医連新聞 第1858号 2026年8月17日号)
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