私たちが求めるケア ⑩医療とピアサポートの連携 受診から直結した支援へ 文/尾之内直美
「どうもおかしい…と、最初に受診した時は、年相応と言われ診断がつかなかった」と「つどい(介護者交流会)」で話す人がたまにいます。
気づきが早い場合、認知症という診断までに至らないことがあります。ですが、家族の「勘」はとても大切で、まずは認知症への経過を辿られます。そして「どうもおかしい」の時点では、それほどサポートが必要ではないので、そのままどこにつながることもなく過ぎていきます。「MCI(軽度認知症)」の診断を受けた人の多くも同様です。もう少し進行していると受診時に「包括に相談を・介護認定を受けてサービス利用を」と次につながるすべを教えてもらえるのですが…。
また、介護認定を受けたとしても「本人が嫌がる」とサービスを利用していない人も多くいます。サービスを使わないとケアマネジャーは来てくれないので、相談する相手がいないまま家族が抱え込み、孤立状態が続きます。そして対応の仕方もわからないまま介護に疲弊(ひへい)していきます。この、受診から介護サービスが軌道に乗るまでの空白期間は結構長く、その間の本人・家族の不安は計り知れません。困って困ってやっと「家族の会」にたどり着いたという人も少なくありません。
この空白期間を短くしたいと、愛知県支部では、認知症疾患医療センターなど病院のなかで「つどいの場」を共催で開催するとりくみをしています。病院内に「つどい」があれば、受診からすぐにピアサポートによる支援が可能です。介護経験者からの情報は、今後の介護にとても役立ちます。
「困っているのは自分だけではなかった」とわかるだけでも気持ちは違います。このとりくみが全国にひろがって欲しいと思います。まずは、医療職の皆さんには、受診時に「ぜひ『つどい』へ」と介護者の背中を押していただけたらと思います。
おのうち なおみ 認知症の人と家族の会理事・愛知県支部代表
(民医連新聞 第1859号 2026年9月7日号)
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