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民医連新聞

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私がここにいるワケ 利用者に併走し地域ささえる 明日の誰かの生きる希望につなげて 千葉・ケアプラン二和かけはし(ケアマネジャー・SW) 上野和美さん

 民医連で働く多職種のみなさんに、その思いを聞くシリーズ。第19回は、千葉・ケアプラン二和かけはしで働く、上野和美さん(ケアマネジャー・SW)です。(髙瀬佐之記者)

■地域に出ていく姿に憧れて

 民医連との出会いは大学時代。先に民医連へ就職していた夫が、仕事の話を楽しそうにする姿に、民医連へ魅力を感じていました。
 実習で出会ったのは、地域で活動する民医連のSWでした。病院で相談を待つだけでなく、患者宅を訪ね、地域に出て、本人のくらしや家族、地域とのつながりまで知っている先輩の姿に驚きました。「一つの困難だけでなく、その背景にある制度や社会にも働きかける。それが民医連だと知った」と当時をふり返ります。

■「何もできない」から希望へ

 民医連の力を強く感じたのは、2011年の東日本大震災。
 当時、上野さんは2度目の育児休業中で、三つ子を出産したばかりでした。大きな揺れのなか、3人を守るだけで精いっぱいでした。スーパーから物がなくなり、ガソリンも不足。自分の子どものおむつさえ足りるのか不安になるなか、東北では、原発事故のニュースも続きました。日本の将来はどうなるのか。先の見えない不安が膨らみました。
 育休を終えて職場に戻ると、全国の民医連職員が被災地へ支援に入り、放射線被ばくへの不安に応える健診などにとりくんでいることを知りました。「困っているところへ行く。声をあげ、社会を変えようとする民医連の姿に生きる希望をもらった」上野さんは力強く話します。

■くらしのそばで先を見通す

 現在はケアプラン二和かけはしで、ケアマネジャーとして勤務。利用者や家族から話を聞き、心身の状態や生活の様子を把握し、必要な介護サービスを組み立てます。ケアプランなどの書類作成、利用者や家族への連絡、サービス事業所や医療機関との調整など、多くの業務があります。「利用者の本当の思いや、くらしに十分むき合えていなくても、必要なサービスを調整し、整えれば、ケアマネジメントとしては形になってしまう。それが難しい」と上野さん。
 忙しさに流されず、利用者のこれまでの人生を知ることを大切にしていると話します。生活歴や家族との関係、大切にしてきたことを知ることは、これから状態が変化した時に、「この人なら、どうくらしたいだろう」と考える手がかりになります。
 「何かが起きてからではなく、何もない時から関係をつくれる。その人の変化を見ながら、その後も伴走できる。これはケアマネの特権だと思います」と上野さんはほほえみます。

■誰もが生きれる地域社会

 国がすすめる地域包括ケアに上野さんは葛藤(かっとう)を感じています。
 「地域でつながり、ささえる」という方向性そのものは大切ですが、誰もが人と簡単につながれるわけではありません。つながりを求めていない、困りごとに気づけない、助けを求めることが難しい人もいます。
 「働き、家族がいて、地域活動にも参加し、自分の将来を自分で準備できる―。国が想定している『地域住民』像が狭い」と上野さんは指摘します。制度の狭間で取り残された人を家族や地域に任せるのではなく、くらしの背景まで見る姿勢が求められます。
 「誰もが生きることを保障するのが本当の地域包括ケア。民医連は『仕方ない』で終わらせない」と話します。

■やっぱり、ここにいる

 「ライフステージの転換期に仕事を続けることに戸惑いもあった」と上野さん。しかし、「自分は何がしたいのか」と立ち止まったと話します。「おかしい」と言った時、「そうだよね。じゃあ、どうしよう」と組織で考えられる民医連。「自分の生き方と、仕事が矛盾していない。それってすごく幸せなことだと思う」と前をむきます。
 「本当に小さな力なんですけど。それを仕事としてやれる。だからやっぱり、私は民医連で働き続けると思います」。利用者に伴走し、地域をささえる支援。民医連の事業所で奮闘するケアマネジャーが、明日の誰かの希望になります。

(民医連新聞 第1859号 2026年9月7日号)

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