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民医連新聞

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地域の声を生かし 被災者本位の復興に 熊本地震に全国支援

 7月28日、最大震度7の激震が襲った熊本。熊本民医連職員と友の会は、自ら被災しながらも住民のいのちと健康を守る活動を展開しています。8月24日からは全国支援も始まりました。
(文・『いつでも元気』編集部 新井健治、写真・野田雅也)

 35℃以上の厳しい暑さが続く被災地。真夏に震度7を記録したのは日本で初めてで、断水、停電に危険な猛暑が重なり、熱中症にかかる被災者が続出しました。いまだ断水が続く地域もあり、災害関連死も心配です。
 全国支援は、震源に近く震度6強を記録した八代市(やつしろし)で実施。人口約11万7000人と熊本県内で2番目に多く、県内最多の20人が震災で亡くなりました。
 同市には民医連の八代中央クリニックと八代健康友の会があります。ここで県連職員と全国からやって来た職員がチームになり、「地域訪問」と「ボランティアセンター救護班活動」を行います。

困っているのは水

 「体調はいかがですか?」「何か困っていることはありませんか」―。地域訪問は全国支援の職員6人と県連職員3人の計9人が、3班に分かれ友の会員宅(345世帯)を回ります。
 日中は留守にしている会員もおり、3度目の訪問でようやく会えた人も。自宅の断水が続く70代の女性は「生活用水はペットボトルの水を使うが、洗濯が特に困る」と言います。福岡・佐賀民医連から駆け付けた伊藤絹江さん(看護師)は「あきらめずに何度も訪ねることが大切ですね」と話します。
 会員宅にむかう車中で、「熊本は最近、災害が多い」と話したのは谷川艶子さん(熊本・水俣協立病院/介護福祉士)。八代市では昨年8月にも豪雨で土石流など水害が発生。市内には水害と地震の二重の被害に遭った人もいます。
 八代市出身の白石央(あきら)さん(福岡・米の山病院/事務)は、初の災害支援。「地元なので個人的にも参加したかった。あらためて被災者が困っているのは水の問題だとわかりました」と指摘します。

ボランティアに救護班

 ボランティアセンター救護班活動は、八代市社会福祉協議会が設置した災害ボランティアセンターで活動。全国支援の職員2人と県連職員2人の計4人が、2班に分かれてボランティアの現場を回り、熱中症対策と被災者の健康状態の聞き取りを行います。8月24日は坂口利佳子さん(宮崎・このはな生協クリニック/看護師)と吉本和代さん(福岡・千代診療所/看護師)が、県連職員とともに冷たい飲み物や汗拭きシートを配布しました。

シャワーの支援に笑顔

 八代中央クリニックは震災で物が散乱したものの、電気と水(井戸水)に問題はなく、発災当日28日の夜間診療(午後5~8時)も通常通り行いました。
 大石史弘所長は「誤嚥性肺炎で亡くなった高齢者など、すでに災害関連死が疑われる事例も出ています。過酷な環境のなか、被災者をしっかり見守ることが大切」と強調します。
 同クリニックは隣接する旧通所リハビリ施設で、7月31日から浴室のシャワーを被災者に無料で開放、8月1日は96人も利用しました。受付を担当した県連の佐藤淳(まこと)さん(事務)は「市内の半数は井戸水を利用していますが、復旧していないお宅も多く、問い合わせがたくさんきます」と言います。利用した男性は「この暑さのなか風呂に入れない。大変助かります」と笑顔で浴室にむかいました。
 熊本では2016年4月にも震度7の地震が起きました。県連は10年前の経験を生かし、自らも被災者である職員の健康を守る「ヘルスケア部門」を災害対策本部に位置付けました。
 県連事務局長の中山奈央子さんは「全国の職員とともに、無理のない範囲で被災者の支援を続けたい。訪問で聞いた会員の声を集約し、被災者本位の復興に向けて市や県に働きかけていきたい」と話しました。

(民医連新聞 第1860号 2026年9月21日号)