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民医連新聞

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相談室日誌 連載611 言葉や変化とらえる生活支援 再飲酒繰り返す依存症の患者(大阪)

 80代のAさんは、アルコール依存症があり、腹痛や転倒、肝不全による黄疸など3年間で7回入院しました。そのたびに相談員としてAさんの思いを聞き、今後の生活をいっしょに考えてきました。
 Aさんは以前、アルコール依存症の専門病院に入院歴がありますが、断酒が続きませんでした。いつも近所の公園で知り合った人たちに誘われてお酒を飲んでいたようです。最初の入院の時は断酒に前向きで「一人でやってみたい」と退院。二回目の入院の時は「一人では断酒できない」と語り、SWが設定した自助グループAAのメンバーとの顔合わせで、メンバーの誘いに乗って退院後にミーティングに通い始めました。約1年間、断酒を続けることができ「行ってよかった」と話し、うれしく思ったのを覚えています。しかし、公園の飲み仲間から誘われ、交流にともなって飲酒が再開。AAのミーティングへの参加や、専門病院への通院ができていた時期もありますが、「お酒をやめたい」と毎回言いながら、飲酒契機の入退院を繰り返すようになりました。
 介護保険サービスの利用もないため、SWが地域包括と連携し、自宅も訪問してAさんの生活を見守っていきました。次第に認知症の進行やADLの低下があり、7回目の入院時、Aさんは「一人ぐらしはしんどい」「面倒見てくれるところに入りたい」と言い、介護施設を探し始めたところで、急変し入院中に亡くなりました。
 Aさんとのかかわりのなかで、私はどうすればAさんの力になれるのかと何度も悩みました。断酒を続けてもらうことをめざしながらも、再飲酒を繰り返すAさんを前に、支援の難しさを感じていました。
 ふり返ると、Aさんは良くも悪くも、人からの「誘い」に応じる人でした。公園の仲間からの誘いで飲酒し、AAの仲間からの誘いで断酒する、人とのつながりで生活をしていたAさんへの支援は「断酒させること」だけではなかったと感じます。
 私たちの支援とは、その人が何を大切にして、誰とつながり、どのように生きてきたのか、その人自身の言葉や変化をとらえ、これからのくらしをともに考えていくことがソーシャルワークなのだと思います。

(民医連新聞 第1862号 2026年10月19日号)