副作用モニター情報〈668〉 メントール製剤(ミンクリア内用散布液)による徐脈
内視鏡の検査時には胃病変の見落としを防いだり、検査の効率を高めたりするために、観察の妨げになる胃の過剰な蠕(ぜん)動(どう)運動を抑制する必要があります。通常、ブチルスコポラミン注やグルカゴン注が使用されますが、ブチルスコポラミン注は緑内障や前立腺肥大による排尿障害の患者に禁忌であるため、合併症の問診をしっかり行う必要があります。また、検査後の車の運転にも注意するよう指導が必要です。
ミンクリア内用散布液(R)(以下ミンクリアという)はl-メントールを有効成分とする液剤で、内視鏡の鉗子口から散布することで胃の平滑筋を弛緩させることができます。散布後、約30秒で蠕動運動が抑制され、内視鏡検査中は抑制された状態が持続します。局所作用であり、検査後の回復時間も必要とせず、安全で有用な製剤とされています。
今回、ミンクリアの副作用が報告されましたので、紹介します。
症例:70代女性
検診の胃カメラでミダゾラム静注
検査中にミンクリアを散布すると、呼吸が荒くなり、SPO2 97%から81%に低下、脈拍60回/分から43回/分に低下。声掛けで呼吸は改善。覚醒すればSPO2も脈拍も戻るが、傾眠になるとすぐに低下してしまう。
その後安静にしてSPO299%脈拍48~50回/分に回復。酸素OFFするもSPO2低下なし。帰宅となる。
1年前にも内視鏡検査があり、ミダゾラムは使用歴があること、また時間経過からミンクリアが疑われます。
ミンクリアの副作用には、息詰まり感があり、今回の症状はこの息詰まり感からの影響がありそうです。有効成分がl-メントールのみなので、副作用は少ないイメージですが、臨床試験においても、検査時で約7%、治療時で約2.4%に認められています。
検査中も観察を十分に行い、適切な処置ができるよう準備をしておきましょう。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)
(民医連新聞 第1863号 2026年11月2日号)
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