いつでも元気

2010年5月1日

くすりの話 124 「栄養ドリンク」の効き目は?

Q:とても疲れやすいです。「栄養ドリンク」は、どのくらい効き目がありますか?

genki223_04_01A:コンビニなどで買えるドリンク剤の多くは、ビタミンB群や肝臓によいとされる成分の入ったものです。これらのドリンク剤には糖分とカフェインが入っており、仕事などで疲れた時に飲めばエネルギーが補給でき、カフェインなどの作用で一時的にシャキッとします。
 カフェインは50mgほど(緑茶より多く、コーヒーより少ない程度)含まれています。気管支拡張薬のテオフィリンなどを服用している人はカフェインとの相互作用で頭痛やイライラ、不眠などを起こすことがあり、注意が必要です。
 「栄養補給」といっても、ビタミンの種類は限定的で、量も1日必要摂取量の数倍~10倍も含まれているので、決してバランスのよいものではありません。 やはり、栄養は適量の食事でとるのが一番です。効能に書いてあるように、肉体疲労時や発熱性消耗性疾患で、食事が十分にとれない時に使うのはよいでしょ う。
 疲れたときは休養が一番ですが、安静にしているだけでは体力は低下します。疲れにくい体をつくるには、ある程度負荷をかけた運動をして、筋力と心肺能力 をつけていくしかありません。何かを飲んだら疲れにくい体になるということは、まずないでしょう。

Q:歓迎会シーズンでお酒を飲む機会が増えます。二日酔いに効くなら、「ウコン」入りドリンクを試してみたいのですが…

A:ウコンはショウガ科の草の根で、古くから民間薬として使われてきました。その中の色素成分は、カレーの黄色い香辛料「ターメリック」として身近な食品です。大手食品メーカーがウコンドリンクを手がけるのもうなずけるところです。
 ウコンドリンクはウコンの中でも肝臓を刺激し、消化液をたくさん出させる「クルクミン」という成分にビタミンB6、ビタミンEなどを加えています。ウコ ンは食品として広く利用されてきた歴史もあるため、健康な人がお酒を飲みすぎてしまったあと、通常量を飲むのはよいでしょう。アルコールの分解を早める効 果が期待できます。
 しかし、作用のしくみからみて、長期間の摂取や、肝臓・胆のうの病気、胃潰瘍、胃酸過多の人が飲むことは注意が必要です。
 清涼飲料水として売られているので、注意書きなどもありません。あいまいな宣伝で販売し、使用をすすめるのはいかがなものかと思われます。「肝臓のた め」というなら、医薬品として認められているグルクロン酸やタウリンの入ったドリンク剤でもよいでしょう。
 ただし、お酒は適量で楽しむ。休肝日を設けるなどの選択肢もありますので、お忘れなく。

いつでも元気 2010.5 No.223

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