いつでも元気

2010年6月1日

くすりの話 125 「お薬手帳」お持ちですか?

Q:処方せんを出した薬局で「お薬手帳をお持ちですか?」と聞かれました。どんなものですか?

A:お薬手帳とは、薬局などで患者さんに無料で提供され、処方された 薬の名前、飲む量、回数、日数、注意事項などを薬剤師が記入し、薬の記録として残すものです(写真)。いわば「薬のカルテ」であり、薬を安全に適切に使う 上で非常に大切な手帳です。ぜひ携帯して活用してください。

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Q:いつも同じ薬なのに毎回出す必要があるの?

A:薬をいつから飲み始めたか、どのくらいの期間飲み続けてい るのかを確かめることが必要な場合があります。例えば、血液検査でカリウムや尿酸値の値が大きく変化したとき、薬が影響している場合があります。それは医 療機関のカルテを見てもわかりますが、お薬手帳ならもっと簡単に調べることができますし、別の医療機関で処方された薬が原因のこともあるからです。
 また、複数の医療機関で薬が出ている場合、薬どうしが影響しあう場合も少なくありません。同じ成分でも製薬会社ごとに薬の名前が違うため、別々の医療機 関から同じ薬が出ていることもあり得ます。サプリメントとの飲みあわせが薬の効果に影響したり、副作用が現れたりすることもあるので、購入したサプリメン トの名前も記入し、レシートと一緒に貼っておくと薬剤師は飲みあわせをチェックすることができます。
 入院時はもちろん、旅先や出張先で突然体調を崩したり、災害にあったときなども、お薬手帳は役立ちます。かかりつけ医がいなくても、医師や薬剤師はふだ ん飲んでいる薬が一目でわかり、記録を見ながら症状を判断し、薬を適切に選ぶことができるからです。

Q:お薬手帳に自分で書き入れてもいいの?

A:はい、自分で記入してもかまいません。新しい薬を飲み始めたが、あわなかったという経験をした場合などは、効き目や感じたことを具体的に薬の名前と一緒に書き入れておけば、再発を防ぐことができます。
 また、医師や薬剤師に何か聞きたいことがある場合に、診察の場ではいいそびれたり、聞き忘れたということも多いのではないでしょうか。そんな時にも、思 いついたら手帳に書いておき、診察時や薬局で見てもらうことで問題解決につながります。検査値や血圧を書き入れておけば、薬の効果や副作用の判断に役立ち ます。

Q:お薬手帳を使う上で気をつけることは?

A:(1)お薬手帳は1冊にまとめましょう。医療機関ごとに手帳をつくると、飲みあわせを調べるために全部の手帳を出さなければなりません。保険証や診察券と一緒にしておきましょう。また、過去のお薬手帳も大切に保管しておいてください。
 (2)記録が不定期であったり、不十分だとうまく活用できません。いつも携帯し、診察時や薬局に行った時には必ず出しましょう。

いつでも元気 2010.6 No.224

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