いつでも元気

2010年9月1日

くすりの話 127 「タバコをやめられる薬」のことを、おしえてください

Q:タバコをやめたいのですが、うまくいかず…。禁煙を助けてくれる薬のことを教えてください。

A:喫煙習慣は「ニコチン依存症」であることが明らかになり、「ニコチン製剤」と「バレニクリン酒石酸塩製剤」が禁煙を助ける薬として使われるようになっています。
 「ニコチン製剤」とは、ガムやパッチでニコチンを体の中に入れて、タバコをやめたときのニコチン切れの症状を軽くするものです。タバコを吸うのに比べ、 ニコチンだけを少量ゆっくり体の中に入れるため、正しく使用すれば依存症になる心配はありません。
 「バレニクリン酒石酸塩製剤」というのは、飲み薬です。脳内でニコチンの働きを防ぎ、「タバコを吸いたい」という欲求を軽くします。この薬を飲んでいる間に喫煙しても、「タバコはうまいなぁ」などという満足感は抑えられます。
 「禁煙補助薬」を使うときに注意したいことは、決められた禁煙プログラムにそって使用する、使用中にタバコを吸わない、妊娠中・授乳中は使用できない… などです。また禁煙することで、他の病気で服用している薬の効き目が強くなったり弱くなったりするため、服用中の薬がある人は、禁煙していることを医師に 伝えることが大切です。
 自力で禁煙する場合と医療のサポートを受けて禁煙する場合を比べると、医療のサポートを受けたほうが格段に禁煙継続率は上がります。医療機関ではニコチ ンパッチや飲み薬などを使い、患者さんの疑問などにも答えながら禁煙をサポートします。地域の薬局でもサポートしています。

Q:最近さまざまな禁煙広告を目にします。禁煙グッズも市販されていますが、効果や安全性は?

A:現在、禁煙補助薬の有効性・安全性が認められているのは、「ニコチン製剤」と「バレニクリン酒石酸塩製剤」のみです。注意が必要な禁煙擬似商品を、一部紹介します。
 「ネオシーダー」…喫煙者の鎮咳・去たん剤として販売されています。しかし、タバコの3大有害成分といわれるニコチン・タール・一酸化炭素が含まれており、依存症も報告されています。
 「噛みタバコ」…タバコの葉を原料としたガムで、依存性があります。口腔がんの大きな原因でもあり、問題視されています。
 「電子タバコ」…ステンレス製の棒にカートリッジを取り付け、カートリッジ内の液体を気体に変化させて吸うものです。WHOは「安全性が確認されず、正しい禁煙療法とは考えられない」「使用されている化学物質に、強い毒性があるものが含まれている可能性がある」と指摘しています。
 他にも禁煙をうたった商品はありますが、本当に「禁煙」や「健康」を考えるならば、しっかりと医療のサポートを受けて禁煙することをお勧めします。

いつでも元気 2010.9 No.227

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