いつでも元気

2012年12月1日

くすりの話 151 「お薬手帳」を利用しましょう

Q:お薬手帳が変わったの?

genki254_04_01A:国は今年の4月から、すべての方に「お薬手帳」と処方内容を記したシールをお渡しするように、調剤報酬を改定しました。これまでは希望される方だけに発行していましたが、お薬手帳の普及を広げるために、今までいただいていた一部負担もなくしました。
 このように改定された理由は、昨年の東日本大震災において、お薬手帳の有用性が再認識されたからです。津波によっていつも飲んでいた薬が流されてしまい、どんな薬を飲んでいたのか覚えていない方が大勢いました。
 病院が通常通り機能しない中で、医師は初めて診察する患者さんがどのような薬を飲んでいたかをつかむために、非常に時間がかかりました。しかし、お薬手 帳を持っていた患者さんは、薬の種類や飲み方などが記載されているので、すぐに処方することができたのです。
 このことから被災地で診療をおこなった医師や看護師から、お薬手帳の重要性や携帯することの必要性が報告され、改定につながりました。

Q:お薬手帳はどのように使ったらいいの?

A:飲んでいる薬や病歴、処方した医療機関・医師名のほか、服用している薬同士の飲み合わせや、薬の服用でアレルギーや副作用が出たことがあるかなどを記録します。
 ふだんからお薬手帳を携帯していれば、旅行中などに体調が悪くなって医療機関を受診する際でも、医師や薬剤師が正確に服用情報をつかみ、その患者さんに適した薬を処方でき、早期の治療・安全につながります。
 また、急に入院することになっても、医師や薬剤師がふだん飲んでいる薬などを確認し、治療に最適な薬を選択できます。退院するときにも、入院中の薬などの情報を記入してもらうとよいでしょう。

Q:同じ薬しかもらわないし、他の病院にもかかってないから、お薬手帳はいらないのでは?

A:処方内容も大切ですが、「どのくらいの期間その薬を飲んでいるか」ということも大切です。お薬手帳を利用していれば、その薬を飲み始めた時期や期間もわかります。
 お薬手帳以外に薬局でもらう薬の説明書(薬剤情報提供用紙)もありますが、説明書にはそのときに出された薬のことしか記載されていません。以前飲んでい た薬のことまではわかりませんし、全部保存しておくのも大変です。お薬手帳は過去に飲んでいた薬の履歴を1冊にまとめられるので、便利です。
 自分の服用情報などを正確に伝え、安心して治療を受けるためにも、お薬手帳を利用しましょう。

いつでも元気 2012.12 No.254

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