いつでも元気

2013年4月1日

くすりの話 155 花粉症の薬

Q:花粉症について教えて

A:花粉が原因で起こる、アレルギー性の病気です。主な症状として、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが現れます。家族が花粉症を持つ方や、気管支ぜん息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などの既往がある方は、花粉症になりやすいとされています。
 花粉症の予防法は「花粉を避ける」ことが一番です。花粉が飛散する時期や種類は地域によって異なりますが、関東の場合スギ花粉は1~4月、ヒノキ花粉は4~5月になります。テレビなどで花粉情報を確認し、外出時はマスクを着用するなどの対策が重要です。
 お酒やタバコは鼻の粘膜を刺激し、鼻づまりを起こしやすいと言われているので、なるべく控えたほうがよいでしょう。また、免疫力を保つためにタンパク質やビタミンなどをとり、バランスの良い食事を心がけましょう。

Q:薬がたくさんあるみたいだけど

genki258_04_01A:花粉症の薬は主に3種類に分けられます。
抗アレルギー薬:強力な効果はありませんが、眠気やふらつきなどの副作用が少なく、服用しやすい薬です。花粉症の症状が軽い方であれば、この薬でも効果が期待できます。
抗ヒスタミン薬:比較的早く効果が出ますが、眠気や注意力の低下、口の渇きや、尿が出にくくなるなどの副作用があり、前立腺肥大や緑内障の患者さんには使えないことがあります。ただし、薬の開発が進むにつれ、副作用を起こしにくいものも出てきています。
ステロイド薬:強い抗炎症作用があり、強い症状を抑えることができます。ステロイドの内服ではまれに全身的な副作用(骨粗しょう症など)が起きる場合もあるので、なるべく短期間の使用にとどめるように推奨されています。
 やむを得ず長く使用する場合には、副作用の少ない点鼻薬や点眼薬などで、治療を続けます。以前は1日に何度も使う点鼻薬しかありませんでしたが、最近では1回で済むものもあります。
 これまでは花粉が飛散する1~2週間ほど前から、予防的に薬を使用することで症状を軽くできるとされていました。しかし、最近では症状が出てから使用し ても、同等の効果があるという報告も一部の薬で出ています。また、花粉症シーズン中は自己判断で薬の使用を止めずに、継続することが大切です。

Q:受診せずに市販薬ですませてもいいの?

A:医療機関を受診して医師の処方を受けたほうが安心ですが、「なかなか忙しくて受診できない」という方は、市販薬を利用するのも一つの方法です。ただし、花粉の飛散する量は年によって異なるので、シーズンの初めはなるべく受診しましょう。
 市販薬を購入する場合にも必ずお薬手帳を持参し、薬剤師に相談しましょう。「市販薬だからすべてが安全で、副作用や飲み合わせの問題がない」ということはありません。ジェネリック医療品より高価にもなりますので、ご注意を。

いつでも元気 2013.4 No.258

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