いつでも元気

2013年11月1日

くすりの話 161 一般用医薬品のインターネット販売

Q:一般用医薬品のインターネット販売が、事実上解禁されたと聞きましたが

A:今年6月5日、安倍首相が成長戦略第3弾のなかで、一般用医薬品のインターネット販売の「全面解禁」を打ち出しました。
 これはインターネットや電話などで、処方せんの必要ない一般用医薬品を購入できるとするものです。正式には「郵便等販売」と言い、通信販売や居宅への「お届け販売」など、薬局や店舗外での販売方法すべてが含まれます。
 また、インターネット販売の解禁は成長戦略のなかに組み込まれているものの、多くの経済評論家は「経済成長の効果はない」と指摘しています。しかも参議院選挙前に実施されたJNNの世論調査では賛成38%で、多くの国民は支持していません。

Q:なぜ解禁されたのですか?

genki265_04_01A:2006年に薬事法が改正された際に、一般用医薬品は健康被害を起こす危険度の高い順から、第1類~第3類に分類されました。そして第1類と第2類については「対面販売」が原則となり、第3類を除いてインターネット販売は禁止されていました。
 しかし、これを不服としたインターネット販売業者が国を相手に裁判を起こし、今年1月に最高裁判所は“原告勝訴”の判決を下しました。最高裁の判決は 「薬事法にネット販売を禁止する項目はない」というもので、インターネット販売で消費者の安全が担保できるかどうかの判断はしませんでした。

Q:インターネット販売の注意点を教えてください

A:第1類(ガスター10やロキソニンSなど)、第2類(多くの風邪薬)については、薬剤師がいる店舗で購入されることをお勧めします。
 やむを得ずインターネット販売を利用せざるを得ない場合でも、初めて服用する薬の購入は絶対に避けましょう。服用経験がある薬で、やむを得ず薬局に行けない場合に限り、インターネット販売を利用するようにしましょう。
 しかし過去に服用して問題がなかった薬でも、突然、重い副作用が起こることがあります。その場合はすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。また、インター ネット販売の業者を選ぶ場合は価格だけでなく、相談体制が整っているかどうかを確認することが重要です。

いつでも元気 2013.11 No.265

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ