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2017年11月2日

新ほっと介護 
高齢者施設の種類

全日本民医連介護職委員会委員長/社会福祉法人山形虹の会常務理事
井田 智(介護福祉士)

 「高齢者施設」の種類はさまざま。読者のみなさんから「どんな施設があるの?」「どういう場合に入所できるのか、分かりにくい」という疑問が寄せられています。
 今回は高齢者施設の種類と特徴を紹介します。

 高齢者施設を選ぶ基準は、入所する方の状態、入居時や月額の費用、施設の特徴などがあります。を参照してください。


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■自立~支援が必要な方

 要介護認定で自立の方(支援がなくても日常生活を送ることができる)や、家事や買い物など日常生活の一部で支援が必要な方は、養護老人ホームやケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅、在宅型有料老人ホームを利用できます。
 養護老人ホームは、介護を必要としない自立した65歳以上で、生活保護受給者、または低所得など経済的な理由を持つ方が対象です。
 ケアハウスは、基本的には生活のサポートが主なサービスなので、常時介護が必要になった場合には特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームに移らなければならないこともあります。入所する前に確認してください。
 サービス付き高齢者向け住宅の「サービス」は、生活相談や1日1回の安否確認です。介護が必要な方は、介護保険を利用して、外部の訪問介護サービスを契約することになります。一般的な賃貸住宅と比べて家賃が高いので、ある程度の収入があることが入居条件です。

■介護が必要な方

 食事や排泄、着替えなど生活の一部に介護が必要な方(要介護1~2)、日常生活全般に介護が必要な方(要介護3~5)は、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護療養型医療施設を利用できます。
 介護付き有料老人ホームは「介護専用型」と「混合型」があります。「介護専用型」は要介護1以上が入居条件です。夫婦で入居する場合、夫婦どちらかが要介護認定を受けていれば、「混合型」に入居できます。
 特別養護老人ホームは、65歳以上で原則要介護3以上の方が対象ですが、重度の医療措置が必要な方は入居できないことがあります。また地域差はありますが、待機者が多いため、希望してもなかなか入居できないことがあります。
 介護療養型医療施設は、長期にわたる医療と介護が必要と認定された方が対象ですが、2020年までに廃止される見込みです。状態が改善すれば退所を求められることがあります。
 このほか、介護老人保健施設は、リハビリを行う施設で、身体の状態が改善したら退所することになります。グループホームは認知症の診断を受けている方で、施設のある自治体に居住している方が対象です。

 身体の状態や収入などにより、利用できる制度や施設は異なります。分からないことがある時は自分や家族だけで悩まず、お近くの民医連の事業所や地域包括支援センターにご相談ください。

いつでも元気 2017.11 No.313

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