MIN-IRENトピックス

2020年2月28日

お金をかけない健康法

 2月号では口と歯のケア、とりわけ歯磨きの重要性について述べました。今回はより具体的な正しい歯の磨き方などについて、歯科衛生士の佐藤美智代さん(みさと健和歯科)にご指導いただきます。
(質問1)歯磨きで最も大事なのは夜寝る前の十分なケアとのことですが、歯ブラシの選び方と歯の磨き方について教えてください。
(回答)お口(歯や歯肉)の状態に合わせて歯ブラシの硬さを選んでください。歯周病などで歯肉の炎症がある場合は、軟らかめのものを選びます。毛先の種類もさまざまですが、極細毛の歯ブラシは歯と歯の間や歯と歯肉の境目に挿入しやすく、汚れを除去しやすいのでおすすめです。
 ブラッシングは歯を1つか2つずつ磨くように小刻みに歯ブラシを動かし、歯と歯の間や歯と歯肉の境目の汚れを落とします。可能であれば毎食後にブラッシングを行いましょう。
 力まかせにゴシゴシ磨くと、歯肉を傷つける恐れがあります。ペンを持つように歯ブラシを持つと加減できます。
(質問2)歯の間の汚れを除去するための口腔清浄について、具体的なやり方を教えてください。
(回答)ブラッシングの後は、ブクブクうがいをおすすめします。頬を膨らませて、右頬→左頬→上唇と歯肉の間→下唇と歯肉の間の順番に、それぞれ水をためて3~4回ブクブクうがいをします。汚れが取り除かれると同時に、頬やあごの筋肉を動かすトレーニング、咀嚼と嚥下の機能を保つ体操にもなります。
 ムセやすい方は連続してすべてをやると誤嚥につながりますので、1箇所ずつ水をためて吐き出すことをおすすめします。また、のどを使うガラガラうがいは誤嚥の原因になりますので、避けた方が良いと思います。
 毎食後のブラッシングやブクブクうがいが難しいようなら、舌回しも有効です。舌先で歯の外側と内側をなぞるように、大きく一周させます。右回りと左回りを各20回、3食後に行ってはいかがでしょうか。舌を動かすことで唾液がたくさん分泌され、口の中を洗浄する効果が期待できます。


佐藤美智代さん
東京民医連の医療法人健和会蒲原歯科診療所、柳原歯科などを経て、みさと健和歯科。現在、東都協議会・歯科部統括歯科衛生士長。在宅療養指導・口腔機能管理認定歯科衛生士


大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)

いつでも元気 2020.3 No.341

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