いつでも元気

2020年4月3日

お金をかけない健康法

 3月号では正しい歯の磨き方について、歯科衛生士さんに指導していただきました。今回は歯磨き剤の選び方について、石けん会社の元幹部で「洗剤・環境科学研究所」代表を務める長谷川治さんにお聞きします。長谷川さんは、人と自然にやさしい石けんや歯磨き剤などの開発に携わってこられました。
(質問1)「薬用」と銘打った歯磨き剤には効果がありますか?
(回答)市販の歯磨き剤の多くは、「薬用」もしくは「医薬部外品」注1などと表示しています。これは“薬用成分が入っている”という意味で、虫歯や歯周病を予防する効能があると宣伝され、価格が2~3割高く設定されています。
 しかし、その歯磨き剤を使って実際に効果があるとの証明はされていません。たとえば歯周病を予防する成分として殺菌剤を配合しているものがありますが、これで3分間歯磨きをしても歯周病菌を完全には死滅できません。
(質問2)歯磨きの目的と歯磨き剤の配合成分の関係について教えてください。
(回答)歯磨きの主な目的は、虫歯や歯周病の原因である歯垢を取り除くことです。実は歯の表面及び歯間をきちんとブラッシングすれば、歯ブラシだけでも歯垢の大部分を取り除くことができます。歯磨き剤はそれを補助するものと理解してください。
 歯垢除去のために一番多く配合されている研磨剤(炭酸カルシウム)は効果的です。一度に使用する量は、歯ブラシの毛先全体の2割ほどの少量でOKです。
 そのほか、歯磨き剤には発泡剤や湿潤剤、香味剤や着色剤なども配合されています。これらには歯垢を取り除く作用はなく、歯磨きを心地よくするためのものです。
(質問3)歯磨き剤を選ぶ際の注意点は?
(回答)歯磨き剤に含まれる有害物質については、よく指摘されるところです。発泡剤のラウリル硫酸塩は、法律で有害化学物質に指定されており、味覚異常などの副作用が心配です。
 口と身体の健康のために、発泡剤や殺菌剤(イソプロピルメチルフェノール)注2、香味剤(サッカリンナトリウム)注3などの有害で不要な成分が入っている歯磨き剤は避けることが大事です。概して価格が2~3割高めの「薬用」は選ばずに、歯垢除去に有効な歯磨き剤の少量使用、これぞお金をかけない歯磨きですね。


長谷川 治さん
千葉大学工学部合成化学科卒。太陽油脂株式会社在職中から、人と自然にやさしい石けんやシャンプー、石けん歯磨きなどの開発に携わる。同社取締役退任後、洗剤・環境科学研究所代表。著書に『これでわかる!石けんと合成洗剤50の疑問』(合同出版)など


(注1)欧米では医薬品と化粧品だけの分類で、この中間の「医薬部外品」があるのは日本だけ。医薬部外品はその効能をうたい、価格も高く設定されている
(注2)薬機法(旧薬事法)において、アレルギーを起こす恐れがある成分として表示するよう指定された化学物質
(注3)以前はたくあんなどの漬け物に使用されていた人工甘味料で、発がん性の疑いがあることから現在は食品には使用されていない

いつでも元気 2020.4 No.342

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ