いつでも元気

2020年9月30日

お金をかけない健康法

 減量のために必要な運動について、みさと健和病院の庄司徹彦さん(作業療法士)にアドバイスをいただきます。
(質問1)減量に挑戦する際の心構えや気をつけるポイントを教えてください。
(回答)減量とは、単に体重を落とすことではありません。余分な脂肪を落とし、適度な筋肉をつける健康的な減量こそ重要です。そうすればエネルギー代謝がスムーズになり、太りにくく疲れにくい体をつくれます。
 これはそのまま糖尿病や高血圧などの予防にもつながります。運動と食事の両面から取り組むことが必要です。
(質問2)お勧めの運動や強度、運動に適した時間帯などはありますか。
(回答)例えば糖尿病の患者さんが生活改善目的で入院された場合、私たちは患者さんに食後1~2時間ほど経ってからの軽いウオーキング(息切れせずに会話ができる程度)を指導します。吸収され始めたエネルギーを運動で消費でき、筋力もつけられる効果があるからです。
 運動だけで体脂肪を1kg減量するには、なんと7000kcalもの消費が必要と言われています。減量のためには、脂肪を効率よく燃やすのがポイントです。運動開始直後は主に糖質が消費され、徐々に脂肪が消費されていきます。運動を20分間以上継続することで、それ以降は脂肪が効率よく消費されます。
 ウオーキングの場合は、できれば30分間以上連続して歩くことをお勧めします。息があがるほど一生懸命に歩かなくても、気持ち早歩き程度で十分効果があります。
(質問3)屋内でも取り組みやすい運動はありますか。
(回答)屋内で行う運動でお勧めなのは、段差昇降運動です。玄関の上がり框や階段などを用いて「1段上がって下がる」を繰り返します。段差は15~20cmくらいが丁度良く、できれば毎秒1段(歩数でいえば毎秒2歩)のペースで昇降しましょう。最初は5分間程度から始めて、徐々に時間を延ばしていきます。バランスに不安がある方は、すぐにつかまれる下駄箱や手すりに触れながら少しゆっくりと行うのがいいでしょう。
 実は私自身も実践しています。お気に入りの音楽を聴きながら運動すると、より楽しくできます。トライしてみてください。


庄司徹彦さん
作業療法士。埼玉県三郷市にある医療法人財団健和会みさと健和病院(東京民医連)組織課。入院・通所のリハビリ担当などを経て、現在、市からの委託事業である地域サロンや健和会の機関紙「健康のひろば」発行に携わっている。


大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)

いつでも元気 2020.10 No.347

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