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2021年2月26日

理事長のたまり場訪問

昨年9月、向ヶ丘支部の「友の家ほっこり」を訪問した田端理事長(左端)=亀井明子通信員撮影

昨年9月、向ヶ丘支部の「友の家ほっこり」を訪問した田端理事長(左端)=亀井明子通信員撮影

 班会やサークル、子ども食堂、無料塾の拠点として、最近増えてきた共同組織の“たまり場”。
 同仁会(大阪府堺市)の田端志郎理事長が、昨年7月から健康友の会みみはらのたまり場訪問を始めた。
 田端さんに手記を寄せていただいた。

 「安心して住み続けられるまちづくり」を実現するには、どうすれば良いのだろう? 昨年4月に理事長に就任して、まず考えたことでした。まちづくりを担う健康友の会みみはらと同仁会(以下法人)の連携を強め、ともに前進する姿を描くことが私の役割。もっと友の会のことを知ろうと、たまり場(「ともの家」など)の訪問を思いつきました。
 これまでも、研修医時代は友の会の班会講師、中堅医師時代には法人企画での共同、幹部になってからは院内巡視など、ともにさまざまな活動を行ってきましたが、たまり場を訪れたことはありませんでした。
 コロナの第一波が和らいだ7月、私が所長を務める耳原鳳クリニック近くに開所したたまり場「オリーブ」(ふくいずみ支部)で挨拶し、念願の初訪問ができました。とても楽しいひと時で、友の会会員と直に触れ合う機会の大切さと喜びを学びました。
 その直後、友の会南区ブロックから「新しい理事長にコロナや民医連のこと、事業所と法人の将来構想についてお聞きしたい」との希望があったので、三密を避けて開催。会員さんは法人全体の現状や課題、将来構想を知りたがっているのだと実感できました。

支援の思い新たに 

 理事長の「たまり場訪問+講演」は大好評。法人組織部長の提起もあり、9月から本格的に支部のたまり場(15カ所)とセンター(4カ所)などで講演と懇談をすることにしました。
 メニューは1時間の講演と1時間の懇談です。医師として勤務の合間を縫って週平均1~2カ所を訪問。午前と午後のダブルヘッダーや夜間の訪問も。我ながらよく頑張れたなぁ…。
 講演は友の会の存在意義や協同基金の現状、法人の経営状態と事業計画、コロナ禍における職員の奮闘、政府と大阪府のコロナ対策の誤り、大阪都構想の問題点、コロナに関する正しい知識と感染しない生活様式など多岐にわたりました。あと1カ所で全支部制覇となった12月、コロナの感染拡大で訪問が中止に。残念、無念…。
 友の会にとっては(1)理事長の話を直に聞き意見交換ができた(2)友の会の存在意義を確信でき仲間増やしや協同基金へのモチベーションが上がった(3)法人の経営状況と事業計画を知り友の会の今後を考えることができた(4)コロナ禍での職員の奮闘と強いストレスを理解し、友の会としての支援の思いを新たにしたなど、さまざまな成果がありました。
 友の会の世話人さんから、訪問を機に仲間増やしや協同基金の増資ができたこと。“理事長効果”は意外に長続きするとお聞きしました。「コロナ禍でも耳原は頼りになる」「無料低額診療を初めて知った。素晴らしい」と事業所を評価していただきました。

友の会とともに歩む

 7~11月の4カ月(8月は休み)で友の会26支部中25支部を訪れ、会員347人と交流。コロナ禍のなかでも、共同組織拡大強化月間の仲間増やしは726人と前年の1・4倍。協同基金の増資や『いつでも元気』の増誌など、年間目標を達成した支部がたくさん出ています。友の会の前進に少しはお役に立てたのかもしれません。
 ストレスの大きい理事長職のなか、たまり場で会員さんと交流することは勇気と活力を与えてくれます。会員さんは交流の喜びを満面の笑みで伝えてくれ、会員だからこそ語れる事業所への期待や課題を教えてくれました。
 手作りのマスク、壁掛け、置物などプレゼントもいただきました。私の宝物です。得るものがとても大きかったたまり場訪問。これからも友の会とともに歩んでいきます。

同仁会 1958年設立の社会医療法人。耳原総合病院(386床)をはじめ診療所、訪問看護ステーション、介護施設など25事業所を擁する
健康友の会みみはら 同仁会とともに活動する共同組織。会員数約9万人。26支部、たまり場15カ所、センター4カ所。『いつでも元気』購読者795人
協同基金 法人の事業活動に生かす会員からの出資金。事業所の建設や改修、機器購入のほか、友の会の活動にも使う


健康友の会みみはら 江戸道子会長

 理事長さんが直々にたまり場を訪問してくれて会員も感激。仲間増やしや協同基金の増資にも力が入りました。コロナ禍で「医療従事者を励ましたい」との気持ちもあり、感染対策をしたうえで大勢の会員が集まりました。コロナでどうなるか分かりませんが、今年度中には全支部を訪問してもらう予定です。組織のトップに友の会に直接足を運んでもらえて嬉しいです。


大阪・同仁会 田端志郎
1989年、大阪市立大学医学部卒。総合内科専門医、循環器専門医、救急科専門医。耳原鳳クリニック所長

いつでも元気 2021.3 No.352

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