いつでも元気

2021年4月30日

青の森 緑の海

2021年2月 那覇市沖合

2021年2月 那覇市沖合

 冬になると、出産と子育てのためにザトウクジラが沖縄周辺にもやって来る。捕鯨が行われていた昔は一度姿を消したが、30年ほど前から帰って来てくれるようになった。12月から3月のあいだ、海にはこの地球上最大の動物の気配がある。森の新緑が終わり梅雨の匂いのするころ、彼らはアラスカやロシアなど北の国へ、また国境を越えて旅していく。
 沖縄科学技術大学院大学などの調査で、沖縄島周辺の海水に含まれる物質のうち、マイクロプラスチック(粉砕された微粒子)の占める割合が平均17%にものぼることがわかった。またプラスチックが体内に入った海中の小型生物において、光合成と成長率の低下も確認された。
 世界じゅうで海に流れ込むプラスチックゴミは、2040年までにほぼ3倍に増えると予想されている。私たちの体内にも、水や食物を通じてそのプラスチックは取り込まれていく。今年の撮影では海水の濁りにも泣かされた。海を汚す要因は、私たち人間の生活にある。
 悩んでいるとき、落ちこんでいるとき、この海の果てのどこかで、彼らがゆったりと泳いでいる姿を想像すると、気持ちが穏やかに落ち着いていく。
 僕たちの生を別の世界から考えさせてくれる自然の力は、これから先とても重要になるだろう。彼ら野生生物の暮らしを妨げることは、私たち自身の首をゆっくりと絞めていくことだと思う。

いつでも元気 2021.5 No.354

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