くすりの話 薬を飲みやすくする服用の提案
執筆/大田原 哲哉(宮崎生協病院、薬剤師)
監修/野口 陽一(全日本民医連薬剤委員会、薬剤師)
読者のみなさんから寄せられた質問に薬剤師がお答えします。
今回は薬がうまく服用できない患者さんに、
薬剤師が状態や環境をお聞きして、
飲みやすくなるように工夫している取り組みを紹介します。
新卒薬剤師として病院に入職し20年。その経過の中で、医師が発行した処方箋のチェック(処方が患者さんに適正なものであるか確認すること。専門用語では「処方監査」)の視点が格段に広がりました。
お薬のアレルギー歴の確認(体質的に合わない薬はないか)、薬と薬の飲み合わせ(現在内服している薬同士の相互作用)、処方量が腎臓や肝臓の機能に応じた投与量かなど、これらは薬剤師として見落としてはいけない項目です。
◆患者さん目線で考える
ただ、もう少し患者さん目線で処方箋を見てみると、どうでしょう。高齢者にはこの錠剤は大きすぎで飲み込むことができないのではないか。1日3回処方されているが、果たして飲み忘れなく服用できるのだろうか。食後2時間で服用する薬を忘れずにちゃんと服用できるかなど、患者さんを思い浮かべると様々な疑問や思いが湧いてきます。
一見、これらの疑問は些細なものかもしれません。ただ、このような疑問は添付文書(製薬メーカーが作成した薬の説明書)や薬剤師がお渡しする薬剤情報提供書(お薬説明書)で解決するものではありません。薬剤師が患者さんを見て、実際にお薬を服用する状況を想像することで解決できることもあります。
それでは、薬をきちんと服用することを阻むハードルは何か、そしてその対応方法について考えてみます。

◆一人ひとりにあった服用の提案
一つ目の問題は、処方された薬がその方に適したお薬であるか、ということです。具体的には錠剤であればその大きさです。一般的に高齢者は嚥下機能が低下しており、大きな錠剤を服用しづらくなります。服用しづらい場合は粉薬に変えてもらう、より小さい錠剤に変えてもらう、または錠剤を砕いてもらう(できない薬もあります)などの調剤の工夫が必要です。ぜひ薬剤師に気軽にご相談下さい。
次に、薬の服用回数がその患者さんのライフスタイルに合っているか、ご自身で服薬管理ができない方の場合は服薬支援を得られるかということです。
例えば、1日仕事をされる方の場合、昼の薬を飲み忘れる可能性があります。また、コップに水を注ぐ、分包紙を破るなど服用する時に周りのサポートが必要な方(ご自身で薬の管理が難しい方)は、周りの方の協力を得やすい時間に薬を服用する必要があります。服用回数をまとめることができないか、相談してみましょう。
患者さんそれぞれに合った薬の飲み方は、一通りではありません。ご自身の服用している薬、ご家族が服用している薬、それぞれの薬を改めて見直すと、より服用しやすい方法に近づくかもしれません。
いつでも元気 2026.4 No.413
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