Dr.小池の世直し奮戦記

2012年11月1日

Dr.小池の世直し奮戦記 原発とめろ! 今すぐなくせ!

 「原発なくせ」の声が、急速に広がっています。政府がおこなったパブリックコメント(意見の公募)では、八割の方が「即時原発ゼロ」を求めています。
 しかし政府の「エネルギー・環境戦略」は、「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」と言いながら「再処理」をすすめて新たな核燃料をつくり、中断している原発の 建設を再開するといいます。しかもアメリカや日本経団連の圧力で「戦略」の閣議決定は見送りに。
 政治には口先だけでなく、本気で「原発ゼロ」を実現する決断が求められています。

福島原発事故で明らかになったこと

 福島原発事故の被害は大きく広がり、一年半経っても収束しません。時間と空間を超えて広がるという他の事故には見られない「異質の危険性」によって、福島県民をはじめ、多くの国民が苦しめられています。
 しかも原発が、たとえ順調に運転されても「使用済み核燃料」は誰も処理できません。一〇〇万KWの原発一基を一年間稼働させると「核のゴミ」が二一トンも出るのです。
 世界のマグニチュード6以上の地震の二割が、狭い日本で起こっています。地震が起こるたびに「原発は大丈夫?」とニュースを思わずチェック。こんな危険と隣り合わせの暮らしは、もうこりごりです。

「電気不足」「料金上がる」と言うが

 関西電力は「大飯原発を再稼働させなければ電気が一五%不足する」と言っていました。しかし、大阪で今年一番暑かった八月三日午後でも、原発なしで電気は足りていました。融通可能な西日本の六電力会社合計では一〇〇〇万KW余っていたのです。
 本当はどれだけ電気がつくれるのか? 他の電力会社から融通できる電力は? こんなことも明らかにしないで「電気が足りない」と国民を脅すのは、やめるべきです。
 電力会社や日本経団連は「原発をゼロにすれば電気料金が上がる」とも言います。しかし、本当でしょうか。
 第一に「原発は安い」と言いますが、そうではありません。福島原発事故で、どれだけ高くつくものかはっきりしました。使用済み核燃料の処理、安全対策、損害賠償、こんなに高いものはありません。
 第二に「火力発電は高い」というのも見せかけです。日本の電力会社は世界一高い値段で天然ガスを買い、電気料金に上乗せしています。東電は、同社の子会 社と三菱商事が共同出資した貿易会社から、アメリカ向けの九倍の値段で天然ガスを買っているほどで、もっと安くできるはずです。
 第三に「自然エネルギーは高い」と言いますが、高いのは最初だけです。普及と技術開発が進めばどんどん安くなります。ドイツでは、太陽光発電の価格は導入時の四割まで下がっています。

“原発頼み”たちきる政治決断を

 ドイツは一〇年で自然エネルギーを四倍化し、原発の発電量を上回りました。政治がやる気になれば、これだけのことができるのです。
 原発の置かれた自治体には「国策」として立地を押しつけてきたのですから、国の責任で雇用や営業の手当てをするのは当然です。「再稼働しないと仕事がなくなるぞ」と脅かして、危険と背中合わせの暮らしを強いる卑怯なやり方も許されません。
 “原発頼み”をやめ、「原発ゼロ」の決断をしてこそ、様々な問題を解決できます。自然エネルギーの普及、低エネルギー社会への本格的なとりくみをすすめるときです。

いつでも元気 2012.11 No.253

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