青の森 緑の海

1995年頃 沖縄県座間味村
新年となった。昨年は沖縄島全域の水中撮影を通して、久し振りに海の環境を見て回った。2024年の高水温により大規模なサンゴの白化が起き、また多くのサンゴが壊滅した。撮影中は死んだサンゴたちをかき分けるようにして、必死に生命の姿を追い求めていた気がする。
撮影範囲を沖縄島全域としたのは、暮らしている島の良い所だけでなく、すべてを体で感じなくては、との想いからだ。生活排水や畑からの赤土などで汚染された海に生きている生命。その汚染は僕自身も生み出している。どんなに汚れた場所にも懸命に生きる生命の姿があり、感動し、次には申し訳なく思うばかりであった。
写真は30年ほど前、美しく澄んだ海の広がる慶良間諸島・座間味村での1枚。水揚げされたカラフルな魚を、島の子どもたちに自慢してもらった。獲ってきたのは彼らの親たち。生活の一部に海がある豊かな暮らしだ。
うちの息子も小学5年生となり、素潜りでの魚突きを始めた。昔から沖縄島では海は地域のものという意識があり、漁業権の縛りが薄い所が多い。誰もいない海中に手銛をつかんで潜りこむと、普段はパソコンゲームばかりやりたがる彼も眼光鋭いハンターとなり、さまざまな獲物を仕留めてくる。家に帰り、包丁で内臓の処理をするまでが彼の仕事だ。
自然環境は僕たち人間の生き方と、切り離して考えることはできない。2026年もこの南の島で暮らしながら、「自然と人間、そして社会」について考えていきたいと思う。
【今泉真也/写真家】
1970年神奈川生まれ。中学生の時、顔見知りのホームレス男性が同世代の少年に殺害されたことから 「子どもにとっての自然の必要性」について考えるようになる。沖縄国際大学で沖縄戦聞き取り調査などを専攻後、沖縄と琉球弧から人と自然のいのちについて撮影を続ける。写真集に『神人の祝う森』『SEDI/ セヂ』など。
いつでも元気 2026.1 No.410
