くすりの話 痛み止めの特徴と注意点
執筆/大澤 秋恵(福島・医療生協わたり病院、薬剤師)
監修/野口 陽一(全日本民医連薬剤委員会、薬剤師)
読者のみなさんから寄せられた質問に
薬剤師がお答えします。
今回は、痛み止めについて解説します。
年齢を重ねると、膝や腰、肩などの痛みを感じることが増えます。急な頭痛や歯の痛みで市販の痛み止めを服用し、助けられた経験がある方も多いはずです。身近な痛み止めについて代表的な薬の特徴や注意点を説明します。
◆痛み止めの3つのグループ
①炎症を抑えるのが得意な
「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」
代表的な薬(成分名)
ロキソプロフェン、イブプロフェンなど
特徴
痛みの元となる炎症を鎮める力が強いのが特徴。腰痛、関節痛、歯の痛み、ケガによる腫れなど、「熱を持ってズキズキする痛み」によく使われます。
注意点
効果が高い反面、長期間飲み続けると、胃が荒れたり、腎臓に負担がかかることがあります。空腹時を避けて服用しましょう。
②穏やかに作用する「アセトアミノフェン」
代表的な薬(商品名)
カロナール®、タイレノール®など
特徴
脳にある痛みの司令塔に働きかけて、痛みを感じにくくさせます。NSAIDsに比べると胃への負担が非常に少なく、小さなお子さんから高齢の方まで幅広く使われます。主に頭痛や、風邪による発熱時に使用します。
注意点
比較的安全ですが、飲みすぎると肝臓に負担がかかります。風邪薬などにも含まれていることが多いため、成分の重複に注意しましょう。

③強い痛みの救世主「オピオイド」
代表的な薬(成分名)
トラマドール、モルヒネなど
特徴
市販薬にはほとんど含まれず、主に病院で処方されるお薬。一般的な痛み止めでは太刀打ちできないような強い痛みの時に使います。脳や神経に直接働きかけて痛みを遮断します。
注意点
飲み始めに、吐き気や眠気、便秘が出やすいのが特徴。こうした症状には別の薬で対策できることが多いので、自己判断で中断せずに医師や薬剤師に相談しましょう。
◆飲みすぎで頭痛に
頭痛持ちの方で、「頭痛が来そうだから早めに薬を飲んでおこう」と月に10~15日以上使い続けると、使い過ぎからかえって頭痛を引き起こしてしまう場合があります。
これは「薬物乱用頭痛」とよばれ、改善に時間がかかることも多いです。医師からの処方薬だけでなく市販薬も含め、普段から鎮痛薬は使い過ぎないよう注意して下さい。
痛みは体からの大切なサイン。「ちょっとくらい我慢すれば…」と自己判断で対処せず、気になる痛みは早めに医師などに相談しましょう。
いつでも元気 2026.5 No.414
